2018年07月05日

証券会社のサービスで、積立投資はあるのに、定期取り崩しはない

前2回にわたって、資産を取り崩す老後生活の話題をお届けしました。
今回は、この話題の最終回としてお話を続けていきますね。

老後に年金だけでは生活費を捻出できない場合は、資産を少しずつ取り崩して生活していくことについて、これまで説明してきました。

資産を取り崩しながらも低リスクで運用したいというニーズもあります。
ところが、証券会社のサービスには、定期的に資産を取り崩して現金化するサービスが残念ながらありません。

これの逆で、定期的に証券口座にお金を入れる定期積立(積立投資)は多くの証券会社で取り入れられていますよね。
でも、老後のニーズである「定期取り崩し」はどの証券会社でも行っていません。
これを半ば実現してくれるのが、毎月分配型の投資信託ではありますが・・・。

定期取り崩しのサービスは、証券会社にとっては自社の口座からお金が流出することになります。
それを恐れて、このようなサービスとしては行えないという判断なのでしょう。
でも定期自動取り崩しのサービスには、ニーズがあると思います。

老後に向けて資産を形成し、それを取り崩しながら生活するという考え方を多くのFPの方がしていますよね。
それに共感する方も、それなりの数はいると思うのです。
もしかしたら、この資産の定期取り崩しサービスは、有料(月額300円とか)であっても利用者は増えるかもしれないと、個人的には考えているのですけれどね。

 
いずれにしても、老後に資産を取り崩して生活をしていくためには、老後の貯蓄額と毎月の生活費をしっかり計算の上で、ライフプランニングを立てて計画的に資産管理をしていくのが望ましいですよね。
これからはますます高齢者が増える世の中になりますから、資産の上手な形成と取り崩しのアドバイスが求められる時代になるでしょう。
 

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2018年07月03日

「定率引き出し」は、FPの提案としては適切ではない、という考え方

前回に続いて今回も、資産を取り崩す老後生活の話題にします。
前回は、下記の記事をご紹介しましたが、今回はこの記事で触れられている「定率引き出し」について考えます。

退職後は運用しつつ引き出す 「タコ足投信」悪くない
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO31648350S8A610C1000000

この記事の2ページ目後半から3ページ目にかけて、資産額の2%とか4%とかを引き出して老後生活を送ることについて書かれています。

この記事では、資産額の一定割合を引き出すことで、資産を長持ちさせる効果があると述べられています。
なぜそうなるのかについて記述がないのですが、ドルコスト平均法と同じ考えに基づく考え方であり、相場が上下変動する前提においては、定額で引き出す場合に比べて定率で引き出したほうが、資産の額を維持し続ける効果があります。
(詳細は割愛しますが、一定の条件下で比較すればそういう結論が導かれると、ひとまずこの場ではとらえてください)

 
この話を聞いて、定率引き出しという手法に魅力を感じる方もいらっしゃいます。FPの方でも、この話に感動される方もいらっしゃいますね。
ですが、これは定率引き出しの一面だけを見ての判断です。実はライフプランニングを考える場面では、定率引き出しには致命的なデメリットがあります。

そのデメリットとは、事前に支出額が確定できない(支出の計画を立てられない)、相場の状況によって使える金額を変えなければならない、ということです。

将来のお金の使い方を考える場合、一般的には支出額を予定し(予算を決める)、その枠内に収まるように支出計画を立てて日々を過ごします。
FPが家計診断をするときには、王道の方法ですよね。
しかし定率引き出しだと、相場環境が悪くなったら取り崩し額を抑えなければならないので、場合によっては「いつもの食事を我慢する」「定期的な通院を我慢する」などしなければならなくなってしまいます。

こんな暮らし方を、世間の人が望むとは考えられないです。
たとえ、資産額の減少を減らしたい、というニーズがあったとしてもです。
ある意味無計画な暮らし方を要求する方法論ですから、これをFPが責任をもってサポートする内容としては不適当だと感じます。

 
関連して、そもそもの話になりますが、相場環境によって以後の老後資産の取り崩しに影響が出る(老後生活が危機に陥る)可能性があるならば、そのお金はリスク商品に投じてはいけません。
FPとしてお金を切り口に人生のサポートをするならば、運用しない選択肢も提案できなければなりません。

 
老後の資産取り崩しがテーマの話題ではありますが、紹介した記事に定率引き出しについて書かれていたので、この点についてフォローが必要と思い、今回の話題をお送りしました。

次回はこのシリーズの最終回として、資産を取り崩したい生活者に対して、証券会社側のサービスが不十分な点について、書いてみたいと思います。
 

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2018年06月30日

毎月分配型投信は、資産を取り崩す老後生活にマッチする、という考え方

分配金を出す投資信託は、投資の効率性が悪いから買うべきではない、と主張する人も多いでよね。
一方で、毎月分配型投信は老後生活にマッチする一面があり、私はその観点でお話をすることがあります。

老後にもらえる毎月の年金だけでは生活が難しいときに、資産を取り崩しながら生活することになります。投信の分配金がその取り崩し機能を担ってくれるのであれば、それは合理的なことだと思っています。

 
これに関する記事が最近出ましたので、参考にご覧ください。
以下では、こちらの記事をお読みいただいた前提で、話題を続けていきます。

退職後は運用しつつ引き出す 「タコ足投信」悪くない
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO31648350S8A610C1000000

 
この記事にもあるように、資産を形成する若い世代は分配金はないほうがよく、資産を取り崩す世代は分配金にも有用な役割があることが分かります。

FPが書く記事の中に、毎月分配型投信は何一ついいところがないから買うべきでないと主張するものもあります。
投資信託を単に資産を形成するためだけのツールと考えるなら、確かに分配金はないほうが合理的でしょう。
金融商品というくくりだけで物事を考えるなら、その考え方もアリでしょう。

しかし、100万人の人がいれば、100万通りの人生設計があります。
それぞれの人生設計に目を向けると、資産を形成することに重点を置くべき人もいれば、資産を取り崩すことを前提に暮らしを立てていく人もいます。多くの方の家計に向き合うほどに、さまざまな資産のニーズ・悩みが見えてきます。そのニーズや悩みを解消するために、毎月分配型が合理的となる場面もあるものです。

 
とはいえ、毎月分配型は、毎月一定額が分配金として払い戻されることが保証されているものではありません。
分配金が支払われないこともあるでしょうし、分配金が月によって増減することもあり得ます。
分配金が少ないと、手元の流動性資金が不足することにもなるので、その場合は面倒でも投資商品を解約するなどの作業が発生する場合があります。
安定した分配金を期待している人に対しては、丁寧に伝えるべき注意点になりますね。

 
このように、一人一人の人生設計・ライフプランニングに照らし合わせて、金融商品の提案ができる人こそが「ファイナンシャルプランナー」ではないでしょうか。
金融商品の特性だけを論じるなら、「金融商品評論家」という肩書のほうが適していると感じます。

これをお読みの方の中には、いろいろな人たちのお金の課題解決に向き合っている方もいらっしゃるでしょうし、これからそういう立場で活躍していきたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。
その場合には、人生設計と金融商品のマッチングによるプランニングも意識していただき、課題解決の質向上に努めていただければと思います。

 
次回は、上記でご紹介した記事に関連した話題を、引き続きお届けしたいと思います。
この記事で、ちょっと気になる(あまり望ましいとは言えない)内容もありましたので、それにも触れていく予定です。
 

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2018年06月27日

資産運用の間違ったリスクの説明を見て思う、リスクを伝える大切さと難しさ

今日は資産運用に関する、ちょっと深いお話です。

 
資産運用ビジネスを展開しているGAIAの記事で、リスクとリターンの説明がなされていました。
この記事の中でグラフが2つあって、「期待リターンと期待リスク」というグラフのほうです。
https://private-fp.online/shisanunyou-keisei/2848

このグラフでリターンの説明は、まあ、あっています。
でも、リスクの説明が本来の意味と異なって説明されています。
この記事では「期待リスク=短期的な変動幅」と書いていますが、これは誤りです。

まず1つ目のちっちゃい誤りは「期待リスク」という言い回し。
「期待リターン」という言葉はあるものの「期待リスク」と言うことは通常はありません。普通に「リスク」といいます。
(期待という言葉は、リターンや収益率に対して使うのが通常)

 
で、今回指摘したい誤りは、リスクの本質的な説明です。
「短期的な変動幅=リスク」なる説明は、一般の人に投資の危険性のようなものを説明するときにはいいのかもしれませんが、ポートフォリオ理論におけるリスクの説明にはなっていません。

ポートフォリオ理論におけるリスクとは、数学的に計算したリターンの標準偏差です。
リターンの標準偏差をわかりやすく意訳すると、「リターンが平均からどれだけずれるか、その予測しづらさを数値化したもの」です。

リスクとは、リターンのブレ幅のことではなく、もちろん価格のブレ幅のことでもありません。
リスクは、予測しづらさ、わからなさを数値化したものです。
リスクは、量や大きさを表現したものではないのです。

これが正しい定義ですが、「予測しづらさを数値で表す」ことは人間の直感ではできないことなので、一般の人に説明しても、理解してもらえることはほとんどありません。。。
なので証券会社のサイトを含め、ほとんどは価格の値動き幅をリスクと称して説明しています。
(プロが、プロでなくなったのを見るような違和感を感じますが。。。)

 
この誤った説明のもとでは、いろいろな矛盾も出てきます。
例えばこのGAIAのグラフは、そもそも「かなりローリスク・ミドルリターン」的なことを視聴者に伝えるグラフになってしまっています。もはやリスクの説明にはなっていなくて、低リスクを強調しているグラフです。

なぜなら、このグラフは価格の上がり下がりが周期的に表現されています。しかも、値動き幅もほぼ固定化されています。
短期的な価格の変動幅が、たとえ大きかろうが(GAIAの説明ではハイリスク)小さかろうが(GAIAの説明ではローリスク)、価格の動きを予測できれば、リスクの数値が意味する「予測しづらさ」はゼロに近い。
なのでこのグラフは「かなりローリスク」と、定義に沿うと表現できるわけです。

また、このグラフの値動きのもとでは、ポートフォリオ理論など「存在価値なし」です。
なぜなら、どのあたりが安値で、どのあたりが高値かが読めるので、ポートフォリオ理論を用いるまでもなく期待リターンを超えるリターンをゲットできますから(笑)

 
このGAIAの記事に限ったことではないのですが、いろいろな人のリスクの説明を見るたびに「正しく伝えられていない」ことへの違和感を、実は感じています。
ただ、リスクを定義通りに正しく説明することが顧客のためになるのかというと、そうでもないのです。

証券アドバイザーとして、ポートフォリオ理論のリスクをわかっているかどうかってことも大事ですが、投資のリスク(これは標準偏差のことじゃない)をお客様に伝えることも大事です。
実務上は、こっちのほうが大事。

投資に関して、アドバイザーの認識と顧客の認識が異なることは、よくあることです。
場合によっては、投資で損をした人が「間違った説明で損害を与えた」と主張し、クレームに発展することもあるのですから。
(取引時にニコニコ感謝してくれる客があとでクレームを言うなんて、その時は想像できないのですけれどね)

 
ちょっと長々と書きましたが、リスクの説明を見るたびに、こんなことが頭をよぎっております。
正しい投資アドバイスとは何か、これはいつになっても答えが出ない「永遠のテーマ」なのかもしれません。
 

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2018年06月26日

FP相談やってみよう、お金の新制度&制度改正、の2つの勉強会を開催しました!

先日6/23(土)に、FPスキル実践活用勉強会にて、下記の2つの勉強会を開催しました。
・FP相談やってみよう:価値観が違う夫婦の不安を解決するライフプランニング編
・FPなら知っておくべきお金の新制度&制度改正 勉強会

 
「FP相談やってみよう:価値観が違う夫婦の不安を解決するライフプランニング編」では、用意した相談事例に対して、どのようなアドバイスをしていくべきかを、個人ワークとグループワークで考えていきました。

将来へのお金の不安に対してどのようなアドバイスをするかという点と、夫婦の価値観の違いをどのように調整して家族の絆を固めていくか、という2点について考えていただきました。
周りの方が優れた提案を考えていてそれが参考になったという方や、自分の体験談を踏まえて意見を述べられる方もいましたね。


「FPなら知っておくべきお金の新制度&制度改正 勉強会」では、FP6分野に関する新制度や法改正事項をクイズ形式で出題し、答え合わせをしながら改正点について学ぶ内容でした。
社会保険制度に関すること、所得税や相続税、不動産取引に関することなど、知らないことも多くてちょっと勉強疲れが出てしまった方もいらっしゃいましたね。
ちなみに全部で38問用意しましたが、今回の全参加者の平均点は、満点は38点中の13.7点でした。(満点の36%)

改正内容を知ることは比較的簡単にできます。
しかし、改正事項を正しく伝える・説明するためには、内容を詳細まで理解し、暗記する必要がありますね。特にセミナー講師をしたり、お客様に説明する場面では、このスキルが求められます。
どこを参照すれば最新の内容を得られるかという情報源のお話もありましたので、それも参考にしながら、お金の制度の理解を深めていただければと思います。

 
勉強会終了後、少人数でしたが懇親会も開催しました。
いろいろな話題で盛り上がりましたが、以下のような話題が出ていました。

子育て体験談とこれからの子育て戦略、昔と今の常識の違い、相続した土地をどう活用するか、農林水産事業に関すること、仲介業者を使った集客効率と支払う仲介マージンのバランス、これからの働き方・収入変化の乗り切り方、各自どんな資産運用をしているか、焼酎を好きな飲み物で割るのは楽しい、などなど。

いつも和やかにお金の話をしている懇親会です。ご都合つかず参加できなかった方も、今後の懇親会にぜひ参加してみてくださいね。

 
次回は7/26(木)に、FP業務をITでサポートするライフプランソフトに関する勉強会となります。
参加申し込み受付中ですので、また皆様とお会いできるのを楽しみにしています!

 
【今後の勉強会のご案内について】
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■7/22(日) 難関FP1級学科を乗り越えるための合格ガイダンス会
■7/29(日) FP1級新制度&制度改正事項 徹底対策勉強会

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
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