2017年05月20日

フィンテックブームの裏側 その1

FP向け雑誌「きんざいファイナンシャルプラン」5月号の巻末に、「フィンテックブームの裏側」というコラムがありました。とても興味深いことが書いてあったので、私の思うところも補足して書いてみます。
そして、フィンテックビジネスとFPビジネスとで重なりがある点も指摘しながら、書いています。

 
このコラムでは、フィンテックサービスの、アメリカと日本の違いについて触れられています。
コラムによると、アメリカでは金融機関がカバーしないニッチ向けの金融サービスを「フィンテック」と呼んでいます。
一方で日本は、既存の金融機関が非常に幅広く金融ビジネスを展開しているため、新規参入者がニッチなところを責めにくい。だから日本のフィンテックベンチャーは、最終的に金融機関を顧客にすべくサービス開発を行っていると指摘しています。

非常に的を得たコメントだと思います。
日本の金融機関は、これまでの歴史の中で、きわめてしっかりとした金融サービスを作り上げてきました。他国の金融機関に比べれば、サービス品質の面では、出来過ぎています。
そのおかげもあって、幅広い年齢層が金融機関のサービスを利用していますし、金融機関と縁を切って類似サービスに切り替える、と考える人もほとんどいません。

 
例えばビットコインなどでも、これを説明できます。
最近は日本でもビットコインを知る人は多くなってきましたが、では実際に銀行の決済・送金の仕組みを使うのをやめて、ビットコインに切り替えたいと思う人は、ほとんどいないでしょう。
ビットコインのメリットも理解できますが、様々な点を比較すれば、日本の銀行間の決済・送金システムのほうが実用性も信頼性も高いです。

一方で、中央銀行が信頼できないとか、国の方針が信頼できない、自分の持っているお金が無価値になるリスクを感じている、という国にいる人にとっては、ビットコインは相対的にメリットが高まります。
しかし日本の金融機関が作り上げた仕組みのもとで生活している日本人にとっては、自国通貨にとって代わるほどのメリットを感じない、というのが実情ではないでしょうか。

 
日本にないサービスを、日本に持ち込もうとするベンチャー企業や外資系企業も多いのですが、日本の顧客が大切に考えていること、日本独自の金融文化をよく理解していなければ、成功は難しいです。

それらサービスがいつしか消えて行ったり、外資系企業が撤退したりする話もたびたび聞きます。
最近の日本のフィンテックベンチャーは、やはり既存の金融機関と提携することで、売り上げを伸ばしたりサービスを広めています。
ベンチャー企業単独で金融市場で存在感を示すことは、なかなか難しいのが実情ですね。

 
よく考えると、FPビジネスもこれに似ていますね。
FPとして単独で活動するよりも、金融機関と提携したほうが仕事がしやすいし、知名度も広めやすいし、報酬も高くなる傾向があります。
私から見た、FPビジネスで成功している人の傾向でもあります。

さて、次回も「フィンテックブームの裏側」に関して書いていきます。
次回も、フィンテックと日本の金融機関と、そしてFPビジネスを関連付けた内容でお届け予定です。

 

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■ 今後の勉強会の開催予定
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●6/3(土) 家計シミュレーションソフトで家計分析・家計改善をやってみよう
無料で誰でも使える家計シミュレーションソフトで、家計分析や家計改善の
方法について学びます(当勉強会の運営スタッフが開発したソフトです)

●6/3(土) ライフプランソフトを使いこなし、FPの総合力を発揮する勉強会
ライフプランソフトの高度な機能も使いこなし、より相談顧客に適した
FPコンサルティングを行うための具体的ノウハウを学びます。

●7/9(日) 高校生向け金融教育を体験し、実践できるようになろう
高校生向けの金融教育の授業を実際に体験いただき、それをマネすれば
あなたが若い世代への金融教育を行える立場になれる!という企画です。

●5/13(土) FP2級 頻出重要ポイント&難問対策勉強会
●5/21(日) FP3級 頻出重要ポイント(2級基礎)対策勉強会

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
http://money-study.net/schedule.htm
※パソコン・スマートフォン両対応のサイトです。

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2017年05月18日

ファイナンシャルプランニングサービスのメリットを、しっかり伝えよう

ファイナンシャルプランナーが提供するサービスは、抽象的なもの、どんなメリットがあるのかわかりにくいものもあります。例えば、

・キャッシュフロー表を作ります
・お金に困らない人生になるようサポートします

という表現です。

そもそも、一般の人はキャッシュフロー表が何かをよく知らないですし、それを作ったところでどんないいことがあるのかも、理解はできません。
お金に困らない人生とは、具体的にどんな人生なのでしょうか?
理想的な言葉ですが、なんだか怪しい人が使う言葉でもあるので、立派なサービスを受けられるという印象が持てない言葉でもあります。

このような抽象的な表現では、FPビジネスを展開することは難しいです。
顧客にしてみれば、支払う相談料に見合う価値が得られるのか、分からないからです。


私が昔聞いた言葉で、「1に顧客メリット、2に機能」と言う言葉を、思い出しました。
私はIT屋さんではありますが、特にIT屋さんは、機能面や流行りの言葉を使ってアレコレ説明する人も多いです。でも、それでは顧客の心をつかめないよ、という話を過去に聞いたのを思い出したのです。
この言葉の趣旨は、次のようなものです。

サービスの機能(キャッシュフロー表とはどんなものか)を説明する前に、利用メリット(キャッシュフロー表で何を得られるか)を先に説明する。
そして、そのメリットがどのような理由で(どういう原理で)得られるのかの裏付けとなるよう、サービスの機能を説明するとよい。

「1に顧客メリット、2に機能」を、いつしか自分でちょっとずつ意識していくようになりました。
これはそっくり、FPビジネスにも当てはまるなあと、思っています。
ITビジネスとFPビジネスの共通点です。

 
皆さんはFPになる過程において、お金に関していろいろな学びがあり、その学びに対して大きなメリットを感じられていることでしょう。
それをもっと具体的な言葉に置き換えて、人々が感じているお金の心配や不安を具体的にどう解決していけるのか(顧客メリット)も説明していくことも重要です。
そうすれば、お金を払っても相談に値するFPサービスだと感じる人は、増えてくるのではないでしょうか。

FPとして活躍されている方に、ぜひ意識していただければと思います。
偉そうに人に言うばかりでなく、私も改めて意識した次第です。

 

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2017年05月01日

FP協会員に対するFintech意識調査が発表されました

2週間ほど前のことですが、FP協会の会員が、Fintechをどれくらい認知しているか、Fintechをどのようにとらえているかを調査した結果が発表されました。

下記URL(FP協会のサイト)より、ご覧いただけます。
https://www.jafp.or.jp/about_jafp/katsudou/news/

まわりのFPがどのようにFintechをとらえているかを知ることができるので、まだご覧になっていなければ目を通してみてください。
FPではない外部の人にとっては、「FPたちはどれくらいFintechの知見を持っているか」を知るには有効な調査結果です。

 
ところで、私も一通りこの結果を見ましたが・・・特にこれと言って有益な情報はなかったです。
というのも協会員の意識調査ですから、皆さんがどう考えているかが、わかるだけのものです。

ハイレベルFP勉強会では、過去に「フィンテックがFPのビジネス・存在をどう変えるのか」というテーマで勉強会を開催しました。FPに関わりのあるフィンテック技術や利用事例などをかなり掘り下げて取り扱いましたが、こういった学びの機会をFP協会も積極的に行ってほしいと思います。

FP協会は過去にテーマを変えてこのような調査を行っていますが、単にアンケート結果を集計するだけにとどまっています。
協会員から集めたお金がたくさんあるのですから、協会員に対して価値あるサービスにつなげることくらい、やってもらいたいところですが・・・

 
といろいろ書きましたが、ぜひ皆様もFintechの流れを知り、それをビジネスに活用していく目線を持ってほしいと思います。
私個人的にはFPとITの両方に関わる仕事をしていますので、機会があるごとにFPの皆さんにFintechに関するいろいろなお話しています。
皆さんのFPビジネスを、ITで盛り上げることに関心がありますので、そのような機会に今後巡り合えるのも、楽しみにしています。

 

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2017年03月30日

金融機関に属するFPと、金融機関に属さないFP その6

FPという職業の分類として、
・金融機関に勤めている、企業系FP
・金融機関に属さない、独立系FP(公正中立なFP)
の2種類がある、というお話を、シリーズ化してしばらく書いていきます。

今回は、シリーズ最終回です。
企業系FPと独立系FPの比較をしながら、これからFPとして仕事をしていきたい方へのメッセージを添えて締めくくりたいと思います。


FPの仕事の一つに、「顧客の資産に関する相談を受け、その解決策を提案する」があります。
この仕事をすぐにしたいという方は、企業系FPのほうが良いでしょう。

というのも、ご存知の通り金融機関には、すでに顧客(見込み客)を多数抱えています。すぐに顧客と対面してのライフプランニング相談に関わることができます。顧客はあなたと初対面であっても、あなたには金融機関の看板がついています。相当に信頼された状態で、会話を進めることができます。客商売であることを痛感できる環境です。

一方で独立系FPは、個人でさばける規模の仕事が中心なうえに、FPらしい仕事をするためには、お客様を一から見つけなければなりません。
まずはお客様からの信頼を得るために、記事の執筆をしたり、あちこちで講演するなど露出を増やす活用が必要です。当初はライフプランニング相談業務を中心で考えていても、いつしかメディアがお客様となったFPや、ライター業務が中心のFPになってしまう人もいるのですが・・・。


また、企業系FPは、仕事の裁量がない一方で、独立系FPでは扱うことのない大きな規模の仕事に関われることもあります。
金融機関は、大口取引先を多数抱えており、FP技能士1級やCFPで学ぶ小難しいことを多数活かせる環境もあります。
とはいえ、個人営業から始まり、そのような業務につくことができる人は、限られています。
FP技能を発揮することばかりにこだわらず、金融機関の中で成果を出していかなければ、なかなか評価もされません。それが、FPらしくない仕事であることも・・・
このようなことを指して、「FP資格はあるに越したことはないが、必ずしも必須ではない」と金融機関で言われているのです。

一方で、自分の個人ブランドを高めたい、有名FPのようになりたい、金融機関の意向に縛られないFPを目指したい、という思いの方は、独立系FPが向いているでしょう。



このシリーズで、企業系FPと独立系FPを比較しながら、ご説明をしてきました。
気がつけば、6回にもわたるシリーズになってしまいました・・・。
このネタで書きたいことが、次々に出てきてしまって、長くなってしまいました。
お読みいただき、ありがとうございます。

世間では、「独立系FPのほうがFPとして優れた存在だ」という趣旨の記事を見かけます。
独立系FPの良さは、インターネット上を探せばたくさんあります。なので、あまりこのシリーズで熱心に語る必要もないかな、と思っていたところもあります。
でも、そのように主張するのは主に独立系FPです。自分たちの立場を優位に見せたい一面もあると思います。

一方で、企業系FPの良さ・価値についての情報は、あまり表だって存在しません。
金融機関で努めている人は自分が「ファイナンシャルプランナー」だと意識したり、そう自己PRする機会もあまりありません。(所属している金融機関名の方が、よほど価値がありますから)
なのでシリーズ後半は、企業系FPの内情についての記述がやや多くなってしまいました。


私は企業系FPの方にも、独立系FPの方にもお会いして、仕事のお話を伺ったりしています。
企業系FPの方と一緒に仕事をすることもあれば、独立系FPの方と一緒に仕事をすることもあります。

私は、独立系FPを持ち上げるつもりはありません。
同じように、企業系FPを持ちあげるつもりもありません。
企業系FPだろうと独立系FPであろうと、顧客のお金の課題を解決できる、社会的意義のある仕事を成し遂げてほしい。
これが、私が昔からFP業界・FP個人に向けて発信しているメッセージです。

ここまでの記述は、私がこれまで何年もわたってFP業界を見渡し、また両者のFPの方々と情報交換をする中で、それぞれの特徴を客観的な視点で書いたものです。
これからFPを目指そうとする方や、もっとFPらしい活動をしていきたいと考える方にとって、参考になれば幸いです。


最後に、これからFPとして活躍していこうと考えている方へのメッセージです。

これからFPとして仕事をしたいという方には、企業系FPと独立系FPの違いを説明したうえで、まずは企業系FPからやってみてはどうでしょうか、とお話ししています。
やはり収入の安定性は、家族を含めて生計を立てていくうえで、極めて重要な要素だからです。
また、企業系FPで仕事をする過程で身につけたことは、独立系FPになっても応用をきかせられますからね。

企業系FPと独立系FPのテーマは、今回が最後となります。
次回からは、別のテーマで書いていきたいと思います。

 

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●4/22(土) 相続相談事例から学ぶ、計画的な相続対策
2つの相続相談事例を取り上げ、相続に関する問題をどのように解決すれば
よいかを考えていきます。相続における実践力が身につく内容です。

●4/22(土) 資産運用・不動産活用・相続分野でFP業務に役立つIT活用勉強会
ライフプランニング以外で、これら3つの分野でFPの皆様に役立つソフトに
関する情報提供・意見交換を行う内容です。

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2017年03月22日

金融機関に属するFPと、金融機関に属さないFP その5

FPという職業の分類として、
・金融機関に勤めている、企業系FP
・金融機関に属さない、独立系FP(公正中立なFP)
の2種類がある、というお話を、シリーズ化してしばらく書いていきます。

前回は、企業系FPと独立系FPの両者を比較しながら、その違いについてお伝えしました。
今回もこの両者の比較について書きますが、これからFPとして仕事をしていきたい方が気にするであろう内容に触れていきます。


ずばり、給与水準について見てみましょう。
企業系FPは多くの場合、個人顧客を担当する営業職(リテール営業職とも言われます)としての募集となっています。
このシリーズの第2回目くらいにお話ししましたが、転職サイトでFPといえば、個人営業です。
給与水準がどれくらいかは、転職サイトを見ればおおよそわかります。
営業実績に連動する形態をとるところも多いですが、モデル年収では400万〜800万円ほどの提示が多いようです。
もちろん、前職の給与水準や、勤務先での貢献度(面接等で測られます)によって違いはありますが、他の業界と比較しても、金融業界は給与水準が高い業界です。
企業系FPとして採用されれば、そこそこの給与水準は確保できると考えてよいでしょう。

一方で独立系FPは、このシリーズでお伝えし続けていたように、個人事業主など独立する人がほとんどです。
自分の給与がどれくらいかは、自分の営業活動次第です。
独立系FPは、頑張り次第で報酬は青天井!などという人もいます。理屈上は確かにそうですが、過去にFP協会が行った調査によると、平均年収は200万〜300万円ほどとなっています。
(注:調査対象によって、その結果に大きなばらつきがあります。しかし私の感覚でも、平均的にはおおよそこれくらいと感じています)

企業系FPの平均年収を超える独立系FPは少数派だと考えてよいでしょう。

以上の内容から、安定してそこそこ高い報酬を得たいなら、企業系FPになる方がよいといえます。
そうではなく、リスクを取ったうえで一流のFPとなって青天井の報酬を目指すなら、独立系FPを目指してもよいでしょう。


次に、仕事の裁量についてです。
企業系FPの場合、仕事で好きなことをできるわけではありません。
会社で定められた業務方針に沿って行動することが必要ですから、いわゆる「会社のために行動する」ことも大いに求められます。また、金融に関するさまざまな法律に基づいた行動も求められるため、自分が本当にやりたいことと、仕事でしなければならないことがずれることは、よくあることです。

一方で独立系FPの場合は、完全に自分の裁量で仕事ができます。企業系FPではできなかったことが、思う存分できる一面もあります。本当に顧客の立場に立った活動ができるのも、独立系FPの魅力の一つです。
とはいえ、自分で収入を上げるためには、ときに自分の意に反することを仕事でしなければならない、という場面に出くわすこともあるのですが・・・。


以上から、企業系FPと独立系FPを比較すると、
・企業系FPは、勤め先の方針に沿った行動を求められるが、報酬は高い
・独立系FPは、好きなように仕事ができる自由さはあるが、報酬は低い
と言えるでしょう。


本日は、企業系FPと独立系FPの業務内容を比較しながらご説明をしました。
次回はいよいよ、このシリーズの最終回となります。

以上の内容を踏まえて、これからFPを目指す方は、企業系FPと独立系FPのどちらを目指すべきか、私なりのメッセージを含めて締めくくりたいと思っています。

 

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■ 今後の勉強会の開催予定
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●4/22(土) 相続相談事例から学ぶ、計画的な相続対策
2つの相続相談事例を取り上げ、相続に関する問題をどのように解決すれば
よいかを考えていきます。相続における実践力が身につく内容です。

●4/22(土) 資産運用・不動産活用・相続分野でFP業務に役立つIT活用勉強会
ライフプランニング以外で、これら3つの分野でFPの皆様に役立つソフトに
関する情報提供・意見交換を行う内容です。

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
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posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 08:38| Comment(0) | TrackBack(0) | FPスキルアップ・FPビジネス