2017年09月01日

小規模企業共済の掛金を下げると、運用が止まり、受取金も増えない

自営業者向けの退職金制度という位置づけである「小規模企業共済」に関するお話です。

小規模企業共済は、毎月掛け金を拠出して、最終的には老後年金の上乗せ、廃業時や事業承継時の退職金として受取ることができる制度です。

廃業、解約など受け取りの理由によって最終的な受取額が変動しますが、長期にわたって掛金の拠出を続けるほど、最終的な受取額の増加率が高くなります。
金融商品に見立てれば、長期契約ほど利回りが高くなる仕組みになっています。

しかし、小規模企業共済の受取金のルールには、落とし穴とも呼ぶべき仕組みがあります。
それが、共済の掛け金を途中で下げたときです。

例えば、次のように合計25年の掛金を払っていたとします。

・最初の10年は、掛金7万円
・次の15年は、掛金1万円

11年目から掛金を1万円に減額した例ですが、25年後に最終的に受け取れる金額について見てみます。
一見すると「最初の10年間に払ったお金は、最終的に25年間運用されて、受取金額に反映される」ように思いますが、実際はそうではありません。
受取額は、次のように計算されます。

・掛金1万円分については、25年間拠出し続けたとみなした受取額になる(25年間拠出したときの利回りが適用される)
・その上乗せの6万円分については、10年間だけ拠出したとみなした受取額になる(10年間拠出したときの利回りが適用される)

小規模企業共済の制度では、掛金の拠出が長期になるほど、利回りが高くなると説明しました。
その観点で見ると、途中で掛金を減額すると、減額した金額の運用は止まり、受取額が増えない結果になってしまうのです。

このことは、小規模企業共済のサイトでもわかりやすく説明されておらず、知らない方も多いのです。
積立投資信託と同じように考えていると、受取金が予想以上に少ないことに驚くことになるかもしれません。

 
自営業を続けていくと、資金繰りの観点から、掛金の拠出が難しくなる場面もあるでしょう。
そのとき、減額すると最終的に受け取れる金額が増えない(利回りが低下する)ことになりますが、それでも解約するよりはまだまし、という状況もありえます。

しかしこのデメリットを受取時に知ると、とてもがっかりしてしまいますね。
こんなはずじゃ、なかったと。

減額を選択される際には、このデメリットをぜひ知っていただければと思います。
 

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■ 今後の勉強会の開催予定
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●9/18(月・祝) FP家計診断やってみよう(1億円以上ある方の定年前リタイア編)
このテーマに関する2つの相談事例を使い、FPとしてどのように資産
コンサルティングを進めていけばよいかを、実践的に学びます。

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
http://money-study.net/schedule.htm
※パソコン・スマートフォン両対応のサイトです。

posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 00:20| Comment(0) | TrackBack(0) | ライフプラン・家計

2017年08月29日

リタイアメントプランニングで、隠れたる収入源や財産を探る、というお話

みなさま、こんにちは。
FP勉強会運営スタッフ(公式サイト管理人)の佐藤です。

次回の勉強会は、9/18(月・祝)に下記のテーマで開催します。

・FP家計診断やってみよう(1億円以上ある方の定年前リタイア編)

その予習となる情報提供も兼ねて、定期的にリタイアメントプランニングについて書いています。

 
リタイアメントプランニングにおいて、
 ・今後の収入
 ・今後の支出
 ・現在の資産額
は、リタイア後の生活を左右する重要な要素です。

FPとしては、この3つをできるだけ精度高く見積もり、相談者が望む暮らしの実現をサポートしたり、問題点を予測し解決することが大切です。

先週にもお伝えしましたが、キャッシュフロー表を作るうえでどこまでの支出を見積もるかも、重要なポイントです。


 ・今後の収入
 ・今後の支出
 ・現在の資産額
は、相談者が把握している数字をヒアリングなどで引き出します。
相談者がわかっていること、意識していることはヒアリングで容易に取得できますが、実は相談者も忘れてしまって収入や財産が存在する場合もあります。

そこで、相談者の記憶の底にあるものを呼び起こすイメージで、FPがヒアリングによって隠れたる収入や財産を掘り起こすことも重要です。
例えば、次のようなものがヒアリングによって見つかることもあります。

・昔に退職した企業の、企業年金
・もう使わなくなった預金口座(昔に勤めていた会社の給与振込口座)
・すでに払い込み終えた保険契約
・財形貯蓄、など

夫婦の一方が忘れていても、夫婦のもう一方が記憶している(期待している)ということもあります。
一般の人はあまり意識していないけれど、FP試験を経験した人ならその可能性に気づけます。

これら隠れた財産を掘り起こせれば、FPとして価値ある活動にもつながります。
リタイアメントプランニングを行うときには、「もしかしたら眠っている財産もあるのではないか」という意識で、少し突っ込んでヒアリングすることも意識していただければと思っています。

 
次回9/18(月・祝)に行う「FP家計診断やってみよう(1億円以上ある方の定年前リタイア編)」では、相談シミュレーション形式で進めます。
自分がFPとしてどう相談に臨むのかを考えながら、リタイアメントプランを立てる練習にもなります。

ご興味をお持ちになりましたら、どうぞご参加ください。
勉強会の詳細は、下記のご案内をご覧ください。
 

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■ 今後の勉強会の開催予定
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●9/18(月・祝) FP家計診断やってみよう(1億円以上ある方の定年前リタイア編)
このテーマに関する2つの相談事例を使い、FPとしてどのように資産
コンサルティングを進めていけばよいかを、実践的に学びます。

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
http://money-study.net/schedule.htm
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2017年08月21日

リタイア世代の生活費をどう見積もるか、という話

みなさま、こんにちは。
FP勉強会運営スタッフ(公式サイト管理人)の佐藤です。

次回の勉強会は、9/18(月・祝)に下記のテーマで開催します。

・FP家計診断やってみよう(1億円以上ある方の定年前リタイア編)

その予習となる情報提供も兼ねて、定期的にリタイアメントプランニングについて書いていこうと思っています。


さて、リタイアメントプランニングの観点では、リタイア後の生活費をどう見積もるかが重要です。
リタイア生活に入ると、収入源は主に年金となります。
しかも、金額は現役世代ほどではありません。
したがって、支出額の大小が、以後の生活設計に大きな影響を与えます。

例えば、リタイア後の余暇を充実させようと、旅行の頻度を増やすなどすれば、現役世代よりも生活費はかかってしまうかもしれません。
また、老後は医者にかかる機会が増え、今よりも医療費がかかるかもしれません。
さらに、介護費用も掛かるかもしれません。自分たちの介護も当然のことながら、親が健在であれば、親の介護費用を負担することになるかもしれません。
人によっては、それ以外の支出を想定しているケースもあるでしょう。


ライフプランシミュレーションや、キャッシュフロー表づくりにおいて、こういった支出額の増加を織り込むめば織り込むほど、貯蓄額は早期にそこを尽きることになります。
かといって、「これらの支出は、可能性が低いから織り込まず無視してよい」と言い切るわけにもいきません。

将来の費用をどこまで織り込んで将来設計をするかは、FPとしても難しいポイントです。
でもそのヒントは、その相談者の心の中にあります。

FPが相談者との対話によって、織り込む度合いを測りながら決定し、将来にかかる費用のシミュレーションを行う、という手順が望ましいといえます。
FPの一方的な価値観で、リタイア後の費用を独断で決定するのは、相談者からすれば納得性に乏しいものになりかねません(たとえ平均値とされる支出額をあてはめたとしても)


まとめると、リタイアメントプランニングの支出の見積もりについては、
・支出に関する思いを、相談者から引き出し、
・納得性の高いライフプランシミュレーションを行う
ことが、大切といえます。


次回9/18(月・祝)に行う「FP家計診断やってみよう(1億円以上ある方の定年前リタイア編)」の勉強会では、この観点で相談者のリタイア後の生活費について考える機会もあります。
相談者の事情をくみ取りながら、プランニングを立てていく練習の機会にもなりますので、ご興味をお持ちになりましたら、どうぞご参加ください。
勉強会の詳細は、下記のご案内をご覧ください。
 

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2017年08月17日

FP知識を活用して、安心できるリタイア生活を提案する、ということ

だれしも、定年退職などでリタイア生活に入るものです。
皆さんの身近にも、リタイア生活を迎えられた方がいらっしゃるのではないでしょうか。

 
さて、リタイア生活を迎える方が抱えがちな不安は、次のようなものです。

・年金だけで暮らせるのか
・貯蓄はいくらあればよいのか

自分がどれくらい年金をもらえるのかを、把握出来ていない人もいます。
ねんきん定期便を参考に見積もることもできますが、年金額をおおよそでも把握できていないなら、「年金だけで暮らせるかどうか」の答えを出すことはできません。

世間では、老後に備えて1000万円あればよいとか、3000万円必要とか、1億あっても足りないとか、様々なことが言われています。
でも、自分が現在どれくらい支出をしているのか、今後どれくらいの支出が予測されるのか、ということがわからなければ、老後に備えていくらあればよいのかの答えを出すこともできません。

これらの不安に共通しているのは「わからない」ということ。
何か問題があるから不安なのではなく、大丈夫なのか大丈夫でないのかがわからないから不安なのです。

お金に関する具体的な課題はなくとも、「将来のことがわからない」という明確な課題をお持ちのケースといえます。

 
こういったリタイア生活の不安を解消する一つの方法は、「分からないことを分かるようにすること」です。
つまり、今後の収入金額と支出の金額を、合理的な方法で見積もり、相談者に教えてあげることです。
FPの勉強をされた方は、このような問題を解消するツールを学んでいるはずです。
その代表的なものが、キャッシュフロー表です。

キャッシュフロー表を使って、年金だけで暮らせるのか、貯蓄はいくらあればよいか、という質問の答えをだすことができます。
全国平均値の貯蓄額、全国平均値の支出額で判断するのではなく、悩みを持つ一人一人の個別のケースにおいて、明確に数字で出すことができます。
その結果、新たに家計の問題が発覚することもありますが、その場合は別途対策を検討し、実行すればよいのです。

このようなアプローチでFPスキルを発揮すれば、老後の不安を抱えている人に対して答えを出し、不安解消を実現できます。
学んだ知識が誰かの困りごとを解決できるアドバイスになるのは、素晴らしいことだと思います。

 
次回の勉強会のテーマは「FP家計診断やってみよう(1億円以上ある方の定年前リタイア編)」です。
1億円以上ある方を事例にした、家計診断の内容となります。

1億円もあれば大丈夫じゃないの?と思われるかもしれません。
しかしご本人は、上記に述べたように「わからない」という不安を抱えています。
それを、あなたのFP知識をフル活用して、
・1億円あれば大丈夫/大丈夫じゃない
・大丈夫じゃない場合は、どのような家計の対策が必要か
を考え、相談者にアドバイスをする、という実践的な内容で進めていきます。

しかも、定年前にリタイア生活を送るというケースです。
年金を受け取るまでまだまだ年数もあり、1億円で足りるのかどうか、根拠をもって説明することも求められる事例です。

いつものように参加者同士で意見交換(グループワーク)もしながら、FPとしての実践的なスキルを高められる1日になるでしょう。
この勉強会に参加希望の方は、下記のご案内をどうぞご覧ください。
 

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2016年09月14日

死亡後でも預金の一定額を引き出せる日本初のサービス

みなさま、こんにちは。
FPスキル活用勉強会運営スタッフ(公式サイト管理人)の佐藤です。

通常、預金者が死亡すると、預金口座は凍結されます。
その場合、預金を引き出すには、遺産分割協議書を提出したり、相続人全員の合意が必要となります。
親族の死亡直後には、病院への支払いや葬儀費用など、やや高額な出費を余儀なくされることもあります。急な現金が必要になってもその口座から引き出せないので、遺族にとっては不便な制度です。

このように「死亡した人の口座からは引き出せなくなる」が業界の常識でした。
しかし福島銀行は日本で初めて、死亡者の口座から一定額まで引き出せるサービスを開始したそうです。

これは画期的なサービスであり、銀行の利便性を高めるサービスです。
このようなサービスはまだ福島銀行でしか行われていませんが、全国的に広がることを期待したいと思っています。

 
ただ、この福島銀行のサービスを利用するには、いくつかの条件があります。
まず、事前の申し込みが必要です。
年齢要件もあり、60歳以上の方の口座に限定されており、かつ引き出しができるのは契約時に申請した人物(預金者の配偶者または子供)のみです。

引き出せる預金の額は、
・500万円
・死亡時の預金残高の2分の1
のいずれか低い金額までです。

引き出す際も、葬儀・医療費・借金精算などお金の使い道が限定されています。ということは、このような書類も手続き時には必要なのでしょう。

そしてこのサービスは有料なのです。年間5000円の利用料がかかります。
預金の引き出しは無料という考えが根付いている日本において、この有料サービスはどれくらい受け入れられるでしょうか。(無料だったら多くの人が申し込みそうですけれどね)
一方で、銀行もマイナス金利によって収益が悪化しており、何とか収益源を確保したいという思いもあります。

 
利便性を高める画期的なサービスですが、家族死亡後のファイナンシャルプランニングにおいては、ほかの選択肢も含めて考えた方が良いでしょう。
この預金引き出しサービス以外にも、急な出費に備えるためには、
・生命保険に加入する(死亡を保険会社に届けてから数日で保険金が支払われる)
・誰が亡くなっても大丈夫なように、家族間で資金を分散して保有しておく
・あらかじめ自宅に現預金をおいておく
などの方法もあります。

万が一の急な出費に備えるなら、これらの選択肢の中から総合的に検討しておくのが良いですね。

 

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■ 今後の勉強会の開催予定
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●2016/9/22(木・祝) 第5回 老後に向けて、賃貸と持家どちらを勧めるか

グループワークなどを取り入れ、明日から役立つ実践的な学びを得ることを
モットーに開催しています。
参加者同士で楽しく学ぶ、和やかで活気ある雰囲気も特長です。

・FP6分野の知識を、より実践的に活用していく知識・体験を得たい
・FP知識と技能を活かし、家族・知人・お客様の悩みを解決していきたい
・FPに関連した人脈を広げたい

とお考えの方にとってピッタリの、役に立つオススメの勉強会です。
皆様のご参加を、お待ちしています!

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
http://money-study.net/life-plan/session/
※PCスマホ両対応のサイトです。
posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 19:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ライフプラン・家計