2014年02月26日

相続時精算課税制度のメリット・デメリット

今日は、相続時精算課税制度のメリットとデメリットについてお伝えしたいと思います。

収益不動産の贈与で、相続税の減税効果

相続時精算課税制度で贈与した不動産自体は、将来の相続税の課税対象となります。しかし、その不動産から得られる賃料収入は、受贈者である子に帰属します。
親がその収益不動産を持ち続けると、親が得た収益金が将来的に、相続税の課税対象となってしまいます。しかしその収益不動産が子に贈与されていれば、収益金は子の固有の財産となり、相続税の課税対象とはなりません。
こういった点から、収益不動産を相続時精算課税制度で贈与すると、相続税の減税効果が期待できます。


続いて、デメリットについて。

贈与した資産が滅失すると不利になる

相続時精算課税制度で贈与した資産が、相続前に減失した場合でも、被相続人の死亡の時点で、相続税の課税対象として扱われてしまいます。通常、被相続人が死亡した時点で、被相続人が保有していた資産が減失してしまっていれば、それに相続税が課税されることはありません。

たとえば、贈与後において不動産が火事のため失われた場合や、贈与を受けた金融資産が泥棒によって盗まれてしまった場合がこれに該当します。
このような場合には、相続時精算課税制度を利用した方が結果的に、相続税額が上昇するという不利な結果となります。
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2014年02月09日

負担付死因贈与契約は、撤回できない場合がある

本日はちょっとややこしい内容のお話です。
負担付死因贈与契約の撤回についてのお話ですが、まずは贈与契約の撤回についてのおさらいです。

通常の贈与契約は、書面で契約をした場合は、贈与者側から一方的に撤回をすることができません。
一方、口頭で契約した場合は、贈与者側から一方的に撤回をすることができます。

続いて、死因贈与契約の撤回についてです。
通常の死因贈与契約は、贈与者側から一方的に撤回をすることができます。書面で契約した場合であっても、撤回できます。
これは、死因贈与契約が遺贈のルールを準用するとされているためです。
遺贈は、遺贈する側から一方的に撤回をすることができるため、死因贈与契約についても同様に撤回ができるのです。

ややこしいのは、負担付死因贈与契約の場合です。
負担付死因贈与契約の締結後、贈与者の生前に、受贈者がその負担を一部でも履行した場合、その負担付死因贈与契約は撤回できないとされています。すでに負担を履行しているのに、一方的に当初約束した贈与を取り消されてしまうと、受贈者側が一方的に不利になるからです。
受贈者が負担を履行していない場合には、通常の死因贈与契約の場合と同じく、贈与者側から一方的に撤回することができます。

贈与に関する撤回についてまとめましたが、撤回できる場合と撤回できない場合が複雑に定められています。
ややこしい内容ですが、贈与や相続について詳細なアドバイスをする場合には、役立つ知識になるでしょう。
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2014年02月07日

教育資金の一括贈与の非課税制度の注意点

今話題の教育資金の一括贈与の非課税制度ですが、その利用にあたり、意外と知られていない注意点がいくつかあります。この制度の概要は省略し、本記事として詳細について記載していきます。


まず、日本国外にある金融機関(日本の金融機関の海外支店を含む)を指定した場合は、非課税制度の適用対象外となります。したがって、海外の学校に通わせている孫がいるなどの場合には注意が必要です。

受贈者1人につき、同時に複数の金融機関と教育資金管理契約を締結することはできません。金融機関を分散させてこの制度を利用することはできません。

贈与者(祖父母等)が死亡した場合でも、この非課税制度は終了しません。
しかし受贈者(孫など)が死亡した場合は終了します。この場合、贈与税は非課税の扱いとなります。(贈与の目的として用意した財産が再び贈与者の元へ戻るため)

贈与税非課税口座内から、教育費以外に使用した場合でも、その使った年分の贈与税の申告は不要です。非課税制度の利用終了時に、まとめて清算をすることになります。

契約終了時に贈与税が課税される場合、30歳到達時の口座残高ではなく、非課税拠出額から教育資金支出額を差し引いた額が、課税の対象となります。これは、贈与税非課税口座内で資産運用などを行った場合に影響がある事項です。
贈与税非課税口座内の運用によって利益が生じた場合は、それは贈与税の課税対象とはならず所得税の課税対象となります。
逆に、贈与税非課税口座内で運用による損失が生じた場合、その損失分は教育資金支出額とはみなされません。元本が毀損する上に、その金額は別途孫への贈与税の課税対象となります。

贈与税非課税口座内で資産運用をすると、あとあと税の計算が面倒になります。したがって贈与税非課税口座内では資産運用は行わず、別の口座で行うほうがよいでしょう。
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2014年01月25日

【FP試験の解説】遺産分割が確定していないと、小規模宅地の特例を適用できない

2013年9月に行われたFP技能士試験の問題の中から、多くの受験者が間違えやすい問題、知識を整理していないと答えづらい問題をピックアップして解説しています。
今後試験を受ける方、試験合格済みだけれどさらなる知識を身につけたいと考えている方の参考になればと思っています。

試験で出題される6分野の順に解説しています。

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2013年9月 FP技能士2級 実技(きんざい 生保顧客) 問14より

「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けるためには,遺産分割が確定していなければならない。

この記述は適切です。小規模宅地等の特例の適用を受けるに当たり、誰がその宅地を相続したか、共有の場合にはどれくらいの持分で相続したか、が決まっていないと、評価減額の計算ができません。それに、申告期限までに相続人が事業や居住を継続することがこの特例の適用要件になっています。したがって適用を受けるためには、遺産分割が確定していなければならないといえます。
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2014年01月24日

【FP試験の解説】直系尊属からの住宅取得等資金贈与の特例を受けるには、贈与税の申告が必要

2013年9月に行われたFP技能士試験の問題の中から、多くの受験者が間違えやすい問題、知識を整理していないと答えづらい問題をピックアップして解説しています。
今後試験を受ける方、試験合格済みだけれどさらなる知識を身につけたいと考えている方の参考になればと思っています。

試験で出題される6分野の順に解説しています。

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2013年9月 FP技能士2級 学科 問57より

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例(以下「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

4.本特例の適用を受けるためには、原則として、贈与税の申告書および一定の添付書類を申告期限内に納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。


この選択肢は適切です。すなわち、贈与税の申告をしなければ、この適用を受けられないということです。
ちなみに、贈与税の配偶者控除も同様に、贈与税の申告書を申告期限内に提出しなければ、その適用を受けることはできません。あわせて覚えておきましょう。
posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 08:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 贈与・相続・事業承継