2017年04月18日

おひとりさまの相続財産、年間400億円が国有財産に

おひとりさまの相続を話題にしている最中ですが、タイムリーなニュースがありました。
おひとりさまが亡くなられた後、誰にも相続されずに国有財産となった財産が、2015年度に400億円以上もあったそうです。

ちなみにこの金額は、ニュース中の発言から推測して、どうやら現預金の額のようです。ということは、これ以外に不動産、金などの実物資産も別で存在するようです。

国有財産となる相続財産の額は、10年前の2.5倍にもなっているそうですが、その背景にあるのが生涯未婚率の上昇と分析されていました。

このように行き場のなくなった相続財産。
国有財産となっても、特別縁故者に受け継がれても、有効に活用していただきたいものです。
 

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■ 今後の勉強会の開催予定
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●4/22(土) 相続相談事例から学ぶ、計画的な相続対策
2つの相続相談事例を取り上げ、相続に関する問題をどのように解決すれば
よいかを考えていきます。相続における実践力が身につく内容です。

●4/22(土) 資産運用・不動産活用・相続分野でFP業務に役立つIT活用勉強会
ライフプランニング以外で、これら3つの分野でFPの皆様に役立つソフトに
関する情報提供・意見交換を行う内容です。

●5/13(土) FP2級 頻出重要ポイント&難問対策勉強会
●5/21(日) FP3級 頻出重要ポイント(2級基礎)対策勉強会

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
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2017年04月17日

おひとりさまの相続で出てくる「特別縁故者」の深い話 その2

今日のお話は、下記のFP向け雑誌から。

KINZAIファイナンシャルプラン 2017年3月号
「押さえておきたい!事業承継の法律知識」

 
おひとりさまの相続、すなわち誰も相続人がいないケースです。
この場合「特別縁故者」と呼ばれる、かつて亡くなった方と深い縁があった人に財産がわたる、と説明されることが多いです。

でもその実務を見ると、案外、話はそう単純じゃないことが見えてきます。
 

前回は、特別縁故者の概要についてお伝えしました。
ここで、おひとりさまの死亡後の遺産分割の流れを、もう一度おさらいしておきましょう。

おひとりさまが亡くなる
 ↓
相続財産はいったん「相続財産法人」と呼ばれる法人のものとなる
 ↓
家庭裁判所により、「相続財産管理人」が選ばれる。
(相続財産管理人は、イメージとして「相続財産法人で一番権限を持つ責任者、社長みたいなもの」ととらえてください)
以後、この相続財産管理人のもとで、相続財産の清算手続きが行われる
 ↓
債権者(おひとりさまにお金を貸していた人など)がいれば、その人たちに連絡がなされ、おひとりさまの財産から弁済がなされる
(このように負債財産が優先して処理されるので、これ以後に財産を受け取る人はプラス価値の資産だけを受け取ることになる)
 ↓
この時点でも相続人がいない場合は、特別縁故者に対して相続財産の全部または一部を与える手続きが行われる
 ↓
それでも残った財産は、国庫に帰属(国有財産となる)


前回に、特別縁故者は、財産を受け取る順位が最後になるうえ、財産を取得できる権利も弱いこともご説明しました。
今回は、自分が特別縁故者に該当すると思った場合に、生前にやっておくべきことを書いていきます。
今後の日本社会ではおひとりさまも増えるでしょうから、知っておいて損はない!?かもしれません。

 
自分が特別縁故者に当たると思ったら、最も効果的なのは、自分に財産を相続(遺贈)する遺言を書いてもらうことです。
(これは特別縁故者のケースに限らず、あらゆる場面で自分に有利になるような遺言を被相続人にお願いするときに有効な考え方です)

そのような遺言を書いてくださいとお願いして、いいよ!と言ってもらえる関係なら素敵ですね。
そうでなければ、おひとりさまと交渉して、遺言を書いてもらうことになるでしょう。

みなさんなら、どう交渉に持ち込みますか?(笑)

 
私が考えるその交渉手順を、以下に書いてみます。
参考なれば幸いです。
もっといい方法があるよ!と思われた方は、ぜひ私にも教えてください♪

・おひとりさまの方も、最後まで充実した人生を送りたいと思っているはず。
 だから、その思いを、人生をかけて応援できる人間関係をまずは構築する。
・遺言の話をする前に、こちらから積極的におひとりさまに対して
 「ギブアンドテイクのギブに当たるもの」を提供する。
・おひとりさまが困っているときには、真っ先に相談相手になる。
 もちろん、解決に向けて全力を注ぐ。
・おひとりさまから、「頼りになるパートナー」「人生最後までともに過ごしたい友達」と思ってもらえていることがわかる発言を何度か聞く。それくらいの親密な人間関係を築く。
・このような過程を経て、おひとりさまがどのような財産をお持ちかは、何となく見えてくる。
 (こちらから全財産を聞き出すことはしない)
・ときおり、おひとりさまがお持ちの財産の有効活用について話を切り出す。
 おひとりさまが充実感、喜びを感じるお金の使い方の話題で盛り上がる。
・そのようなお金の使い方を、おひとりさまが亡くなられた後も継続し、実現できたらいいね、という話のネタがあれば話してみる。
・その話の結果、良い感触があれば、おひとりさまが亡くなられた後も、おひとりさまの財産を有効活用し続けるためにも、私に財産を相続する遺言書を書いてくれないか、とお願いする。
・あくまでも、おひとりさまの意思を尊重する。


書いてる途中で、本当にこれでうまくいくかな?なんて疑問も出ましたが・・・
この話の流れの最初に書いた「ギブアンドテイクのテイク」に当たるものが、最後に来るようにストーリーを描ければ、おひとりさまも納得してくれるかもしれません。

一緒に過ごす中で、時にはおひとりさまの看病、介護が必要になることもあるでしょう。
それも当然、ともに乗り越えていく気持ちが、自分の中になければなりません。

・おひとりさまの財産は2番目
・おひとりさまの人生、夢や希望が1番目

となるように接していれば、「財産目当てだったのか!」と言われることもなく、快く遺言を書いてもらえるよう、話を持っていけるのではないでしょうか。

また、ここまで深くおひとりさまとかかわることで、「自分以外に特別縁故者はいない」という状況を作れると考えています(いわゆる囲い込み作戦)
特別縁故者に当たる人は、自分以外に他にいるかもしれませんからね。

と書いてる途中で、やっぱり本当にこれでうまくいくかな?と気になりましたが・・・やっぱり難しいですね、遺言を書いてほしいという要求は。

 
「おひとりさまが亡くなられたら、特別縁故者が財産を受け取れます」というメディアの情報のとおりには、そう単純にはいかないことがお分かりいただいたのではないでしょうか。

次回は、3回にわたる特別縁故者シリーズの最後として、特別縁故者となるための手続きや、特別縁故者にかかる相続税など、さらに実務的な観点で補足をしていきます。

 

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2017年04月14日

おひとりさまの相続で出てくる「特別縁故者」の深い話 その1

今日のお話は、下記のFP向け雑誌から。

KINZAIファイナンシャルプラン 2017年3月号
「押さえておきたい!事業承継の法律知識」

 
おひとりさまの相続、すなわち誰も相続人がいないケースです。
この場合「特別縁故者」と呼ばれる、かつて亡くなった方と深い縁があった人に財産がわたる、と説明されることが多いです。

でもその実務を見ると、案外、話はそう単純じゃないことが見えてきます。

 
おひとりさまが亡くなると、次のように遺産分割が進んでいきます。

おひとりさまが亡くなる
 ↓
相続財産はいったん「相続財産法人」と呼ばれる法人のものとなる
 ↓
家庭裁判所により、「相続財産管理人」が選ばれる。
(相続財産管理人は、イメージとして「相続財産法人で一番権限を持つ責任者、社長みたいなもの」ととらえてください)
以後、この相続財産管理人のもとで、相続財産の清算手続きが行われる
 ↓
債権者(おひとりさまにお金を貸していた人など)がいれば、その人たちに連絡がなされ、おひとりさまの財産から弁済がなされる
(このように負債財産が優先して処理されるので、これ以後に財産を受け取る人はプラス価値の資産だけを受け取ることになる)
 ↓
この時点でも相続人がいない場合は、特別縁故者に対して相続財産の全部または一部を与える手続きが行われる
 ↓
それでも残った財産は、国庫に帰属(国有財産となる)


法人ビジネスに詳しい人なら、「株式会社の清算」と似ていることがわかりますね。

過去に実際に特別縁故者になった人の事例として、次のケースが挙げられています。
・相続人ではないが同一生計だった人(親族のほうが認められやすいようです)
・療養看護に努めた人(寄与分が認められる程度の貢献度が必要と思います)
・50年以上の付き合いのある弟子
・個人に限らず学校法人や宗教法人

 
次に、特別縁故者の要件と権利についてまとめてみます。

特別縁故者は、家庭裁判所により決定されます。
なので「私が特別縁故者です」と主張しただけでは、特別縁故者とはなれないのです。

この記事でも紹介されていますが、包括受遺者がいる場合は、その人に財産が優先して遺贈されてしまいます。要は相続人と同じ扱いになるので、おひとりさまの死亡なのに「相続人がいる」扱いとなってしまいます。
この場合、特別縁故者の候補者だった人(特別縁故者になることはできないですから)は、結果的に財産を受け取れないことになります。

また、特別縁故者の候補者だった人は、遺言の無効を裁判で申し立てる権利がないことも、この記事で触れられています。特別縁故者になれなかった以上、遺産相続とは無縁の人とみなされるからです。
仮に、遺言がおひとりさまの意思に反して書かれた場合であったとしても、です。
このような場合には、相続財産管理人に訴訟を起こしてもらう必要があります。

 
ここまで、特別縁故者に関することを書いてきました。
特別縁故者は、財産を受け取る順位が最後になるうえ、財産を取得できる権利も弱いことがお分かりいただけたと思います。

次回は、自分が特別縁故者の候補者となれる場合に、事前に行っておくべきことは何か、について書いていこうと思います。

 

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■ 今後の勉強会の開催予定
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2017年02月20日

節税目的の養子縁組と、独占業務の壁について

みなさま、こんにちは。
FP勉強会運営スタッフ(公式サイト管理人)の佐藤です。

3週間ほど前ですが、節税目的の養子縁組が無効となるのかどうかの判決が、最高裁判所で出ました。
相続業界では注目された裁判ですが、最高裁によって「有効」と判断されました。
したがって「節税したいなら、養子縁組しよう」というアドバイスは法に触れることではないということが確定しました。

さて、私の関心は、節税目的の養子縁組が有効と判断されたことよりも、税理士が養子縁組を勧めることに問題はないのか、ということです。

 
養子縁組は、家族関係や、法的な身分関係、さらには既存の家族の財産権に変化をもたらします。
(養子が増えると、養子以外の子の法定相続分は減少する)
これは法律行為の一種であり、どちらかと言えば弁護士の業務領域にあたると思われます。

この裁判ではそれほど注目されなかったようですが、弁護士資格のない税理士が、家族関係を変えて節税を促すことは、独占業務の壁を超える行為となり問題になる可能性があります。

FPがアドバイスしている行為の中には、本来は弁護士免許が必要な内容、税理士免許が必要な内容が含まれているケースもあるでしょう。
今回のお話は税理士と弁護士との間のお話でしたが、FPも相談においては、独占業務の壁を超えるのかどうかの感覚を持ちながら、適正なアドバイスをすることが求められることを、改めて意識した次第です。

 
ちなみに養子が増えると、相続税の基礎控除が増えるため節税になると言われています。
実はそれ以外にも節税になる要因があります。
子が増えることで、一人当たりにかかる税率が計算上下がる可能性があるため、結果的に相続税の総額を引き下げられる効果があるのです。
(課税遺産総額が同じなら、子の人数が多いほうが相続税の総額は少なくなる可能性があります)

具体的な節税額は、子の人数や遺産額によりますが、養子の追加により子の人数が増えると、基礎控除+税率低下のダブル効果で節税になります。
ちなみに、もともと相続人の子の人数が少ないほど、養子縁組による税率低下の効果は高まります。
(相続人の子の人数が3人⇒4人となるケースより、1人⇒2人となるケースの方が節税効果は高くなる)
(気になったら、FP試験の過去問などを使って、実際にその違いを計算してみてください。ちなみに現在は、FP3級でも相続税額の計算が出題されています。)

このように、養子縁組は相続税が下げるメリットがありますが、場合によっては遺産相続でもめることにもなります。
養子が増えれば、既存の相続人の法定相続額が減りますからね。
今回の裁判も、この観点で訴えが提起された経緯があります。

養子縁組は、養親と養子の当事者間で契約でき、他の相続人の同意なども不要です。
なので養子縁組の際には、相続税のことだけでなく、あとあと円満な家族関係を築いていけるかも考慮して、決定することが望ましいですね。


【参考:ニュース記事】
節税目的の養子縁組「有効」、最高裁初判断 当事者の意思重視
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG31H5M_R30C17A1CC1000/

 

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■ 今後の勉強会の開催予定
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●3/18(土)午前 受験前に役立つ情報満載!FP技能士合格ガイダンス会
「FP技能士3級2級合格勉強会」で開催する勉強会です。
FP技能士試験の合格に役立つ、様々な情報をお伝えする内容です。

●3/18(土)午後 家計診断で学ぶ、50歳からのセカンドライフ
「未来の家計改善 FP勉強会」で開催する勉強会です。
お金の問題を抱えた50歳ご夫婦の家計診断をしながら、家計の問題点と、
その解決法を導きます。FP相談事例を模擬体験できる内容です。

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
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2016年12月24日

相続に関して、2つの最高裁判所の動き

みなさま、こんにちは。
FPスキル活用勉強会運営スタッフ(公式サイト管理人)の佐藤です。

ここ最近、相続に関して、最高裁判所の動きが注目されています。
最高裁判所の判断は、日本の国家ルールとなるものであり、今後の相続業界の常識にもなっていくものです。


一つ目は、養子縁組についてです。

【相続税対策の養子縁組、「無効」見直しへ 最高裁】
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG19HEF_Q6A221C1CR0000/

養子縁組の理由が相続税対策であるなら、その養子縁組を無効にするかどうか、という判断です。
高等裁判所では「無効」とされましたが、最高裁判所によって「有効」と判断される可能性が高まっています。
養子縁組をすると、法定相続人の人数を増やせる⇒基礎控除額を増やせる⇒最終的な相続税額を減らせる、という効果があります。
(相続税計算において、養子を法定相続人に加えられるのは最大で2人までです。無限に基礎控除額を増やせるわけではありません)

養子縁組の理由が、親子という身分を作るためなのか、それとも単に節税のためだけなのか、など理由によって有効/無効がわかれることになるかもしれません。
今後の判決で、その結果が出てくることになるでしょう。


もう一つは、預貯金の遺産分割です。

遺産分割が決裂して裁判所の調停などで遺産が分割されるとき、預貯金は法定相続割合で分割される、というのがこれまでの裁判所の判断でした。
しかし、そのように機械的に法定相続割合で分けるのではなく、きちんと遺産分割協議の結果に基づいて分けるべき、と最高裁判所の判決が出ました。

<最高裁>預貯金は遺産分割の対象 判例変更し高裁差し戻し
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161219-00000050-mai-soci

遺産分割協議が決裂したために法定相続分に基づいて分割されると、生前贈与を受けていた相続人が有利になったり、逆に被相続人に現金を生前贈与した相続人が不利になる、という問題がありました。
より公平な遺産分割を実現するためにも、このような不平等はなくすべき、と最高裁判所が判断をしたという経緯です。

しかし、この判断によって新たな問題も発生します。
これまで、金融機関は亡くなった人の口座にあるお金を相続人が引き出す時、遺産分割が確定していなくても法定相続割合までなら引き出しに応じてくれるケースもありました。(金融機関によります。遺産分割が確定しない限り引き出しに応じない金融機関もあります)

しかしこの判決を受けて金融機関は、今後、遺産分割が確定するまでは引き出しに応じなくなるとも考えられます。一部の銀行では、あらかじめ契約していれば、遺産分割前であっても一定の金額の引き出しに応じるサービスを始めています。時代のニーズに適合したサービスだと思いますが、このようなサービスを行っている銀行は数えるほどしかありません。
家族の死亡後に、葬儀などで急な資金需要も発生することがありますから、こういった事態に金融機関はどう対応し、また相続人側もどう準備しておけばよいのか、お互いに考えていかなければなりませんね。


FP試験でも相続について学びますが、あくまでも法律で定められた事項を勉強しているにすぎません。
世の中にある相続トラブルの種類は非常に多く、法律による解釈だけでは判断できないことも山のようにあります。

FP資格も活用し、相続に強い人材になるのであれば、こういった実務的なことをたくさん学んでいく姿勢も必要といえるでしょう。

 

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■ 今後の勉強会の開催予定
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次回は2月に開催を予定しています。
開催日時、場所が正式に決まりましたら、こちらでご案内いたします。

posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 19:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 贈与・相続・事業承継