2019年03月14日

上場株式の生前贈与の実務について その3

数回に分けて、上場株式の生前贈与をテーマにして書いています。

「その1」では、贈与税の計算における上場株式の評価額は、次のうち最も低い金額で評価することをお伝えしました。

・贈与日の最終価格
・贈与した月の毎日の最終価格の平均額
・贈与した月の前月の毎日の最終価格の平均額
・贈与した月の前々月の毎日の最終価格の平均額

これにより、値上がりしている上場株式は、時価より低い金額で贈与が可能となります。

「その2」では、証券会社に対する贈与手続きについてお伝えしました。
贈与のために証券会社に対して手続きを行う必要があり、手数料もかかること、そして贈与を行えない場合もあることをお伝えしました。

ここまでは、前回のおさらいです。

 
今回は、贈与後の申告に関するお話です。
贈与での評価額は、次のうち最も低い金額となるわけですが、

・贈与日の最終価格
・贈与した月の毎日の最終価格の平均額
・贈与した月の前月の毎日の最終価格の平均額
・贈与した月の前々月の毎日の最終価格の平均額

「毎日の最終価格の平均額」は、Yahooファイナンスなどで金額を探し出し、自分で計算する必要があるのでしょうか?

実はその必要はありません。
上場している取引所が、1カ月間の最終価格の平均額を算出し、公開しています。
例えば日本取引所の場合は、下記URLから調べることができます。
https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/price/

ここで調べた金額を比較して、最も低い価格で評価をすればよいです。
これを知っていると、とても楽ですね。

 
それと、上場株式の贈与をうけて贈与税を申告する場合、「上場株式の評価明細書」を申告書に添付する必要があります。
この評価明細書に、上記URLからわかる最終価格の平均額を書き写すこととなります。
この評価明細書は、下記URLからダウンロードできます。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hyoka/annai/1470-02.htm

 
上場株式の贈与について3回にわたって話題を続けてきましたが、以上で贈与の実行とその後の申告実務まで対応できるでしょう。
上場株式を贈与する場面があった時、またそのような方をサポートする時には、この内容を参考にしていただければと思います。

 
次回が、上場株式贈与実務の最後の話題になります。
ここ3回までで原則的な実務についてお伝えしましたが、この原則から外れる例外の場合について、次回にお伝えします。
お楽しみに!
 

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  今後の勉強会の開催予定
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■3/17(日) 家計シミュレーションソフトで損をしない住宅購入・住み替えプランを立てよう
■3/17(日) FP相談事例研究:全財産を1世代飛ばして相続させたいという相続相談編
■3/21(木・祝) 日経WOMANに登場FPが教えます!100歳安心のライフプランの作り方
■4/28(日) FP6分野の新制度&制度改正 徹底学習勉強会(FP1級・CFP試験対応)

<FP資格取得の姉妹勉強会 ご案内>
■3/21(木・祝) 受験前に役立つ情報満載!FP技能士3級2級合格ガイダンス会
■3/21(木・祝) 難関FP1級学科で高得点を取るための合格ガイダンス会
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https://money-study.net/schedule.htm
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2019年03月11日

上場株式の生前贈与の実務について その2

数回に分けて、上場株式の生前贈与をテーマにして書いています。

前回は、相続税対策で生前贈与が用いられていることについて、お伝えしました。
贈与税の計算における上場株式の評価額は、次のうち最も低い金額で評価してよいことになってます。

・贈与日の最終価格
・贈与した月の毎日の最終価格の平均額
・贈与した月の前月の毎日の最終価格の平均額
・贈与した月の前々月の毎日の最終価格の平均額

なので、値上がりしている上場株式は、時価より低い金額で贈与することが可能でもあるのです。
ここまでは、前回のおさらいです。

 
さて、このように現金贈与よりメリットのある上場株式の贈与ですが、贈与を成立させるためには、いくつかの実務上の条件があります。
その条件を満たさないと、そもそも贈与ができない、ということになるのです。

まず、ほとんどの証券会社では、上場株式の贈与は行えます。
同じ証券会社の口座への贈与や、他の証券会社の口座への贈与も行えます。
実際に贈与を行う際には、念のため証券会社に確認するのが良いでしょう。

ただ、贈与しようとする上場株式を、受贈者が既に保有している場合は、贈与ができない場合もあります。
私の勝手な推測ですが、買った株式と、贈与を受けた株式とでは、取得価額の管理方法が異なることから、この両者を混ぜることができないのではないか、と想像しています。

 
上場株式の贈与が可能であっても、その手続きがかなり面倒な場合もあります。
贈与をすることについて、証券会社に書面での手続きが必要です。
添付書類として、贈与契約書の提出も求められる場合もあります。

上場株式の売買は、ネットで手軽にできますよね。
でも贈与においては、ネットで手軽に、とはいかないようです。

ちなみに、上場株式の贈与を行うと、そこそこ高い手数料がかかる場合もあります。
贈与する株式の時価によっては、「いったん売却して現金で贈与」の方が手数料が安くて手間も楽、かもしれませんね。

 
今回は、上場株式贈与の実務手続きについてのお話でした。
上場株式の贈与においては、評価額を下げるメリットだけでなく、不便さをともなうデメリットも考慮して、現金贈与とどちらが良いかも検討したほうがよさそうです。

 
上場株式の贈与実務については、まだ関連する話題があります。
それは今後にお届けいたしますので、そちらもお楽しみに!

 
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2019年03月06日

株式の生前贈与の実務について その1

今回は、株式の贈与に関する話題です。

「相続税対策のため、生前贈与を毎年行う」という方法が知られていますね。
暦年贈与を繰り返して被相続人の財産を減らし、相続が発生したときに相続財産が少なくなっていれば、その分相続税が減り、より多くの資産を次の世代に残せるからです。

このお話は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
今回の話題は、その生前贈与を上場株式で行う、というものです。

現金を生前贈与するよりも、実は上場株式の贈与のほうが、有利な点があります。
それは、贈与税における上場株式の価額の計算式にあります。

贈与税の計算における上場株式の評価額は、次のうち最も低い金額で評価してよいことになっています。

・贈与日の最終価格
・贈与した月の毎日の最終価格の平均額
・贈与した月の前月の毎日の最終価格の平均額
・贈与した月の前々月の毎日の最終価格の平均額

例えば、ある上場株式の価格が次のような価格推移だったとすると、
・贈与日の最終価格 =110万円
・贈与した月の毎日の最終価格の平均額 =100万円
・贈与した月の前月の毎日の最終価格の平均額 =80万円
・贈与した月の前々月の毎日の最終価格の平均額 =90万円

この株式の贈与税を計算するときに用いる評価額は、時価の110万円ではなく、80万円となるわけです。
特に、株価が上昇している株式を贈与することで、時価より低い価格での贈与が可能になることから、より効率的な節税対策として、株式の生前贈与を活用できるというわけです。

 
いかがでしょうか。
こういうお得な情報は、多くの人に伝えたくなりますよね(笑)
情報提供する立場のFPの方は、必要に応じてこの話題をお伝えいただければと思います。

 
ところで、この株式の贈与をサポートする業務を行う場合には、ここまでの話の内容だけでは不十分です。
実際に行う場合には、いろいろと複雑な実務をこなさなければなりません。
「生前贈与できると思ったのにできなかった」という場面に、後になってから直面することもあります。

次回からはこの話題をさらに深掘りして、お話を続けていきます。
株式贈与の実務に関わるときに、さらに役立つノウハウになりますので、楽しみにしてくださいね!
 

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2018年12月29日

相続税・贈与税の納税猶予の特例、今年は利用者が増えている

今年2018年の年初に、相続税・贈与税の納税猶予の特例が改正されました。
この改正で、贈与税の納税猶予、相続税の納税猶予ともに、次のように改正されました。

・納税猶予の対象となる株式数の上限が、発行株式数のすべてまでに拡大された
・納税猶予の対象となる税額が、株式価格の全額までに拡大された
・5年間にわたって8割以上の雇用を維持する要件がなくなった

この改正により、かなり使い勝手が良くなったという評価をききます。

制度の利用件数も、改正前は年に400件程度だったのが、改正後は年に3000件くらいに増えているそうです。

以前にもまして、事業承継で活用できる余地が高まっています。
相続や事業承継に関わる場合には、この制度についてしっかりと理解しておくと良いです。
どのようなケースで使うべきか、使わぬべきか、にまで踏み込んで考えられると、直よしですよ!
 

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  今後の勉強会の開催予定
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■1/24(木) 確定申告がわかる!できる!【様々なケースでの申告書作成編】
■1/31(木) 確定申告がわかる!できる!【電子申告e-Tax実践編】
毎年恒例の確定申告について、申告書の作成からe-Taxの事前準備と申告完了
までを実演します。それを見ながら、実践的に学べる内容となっています。

■2/11(月・祝)
ポートフォリオ理論の本質をわかりやすく学び、低リスク高リターンな国際
分散投資を、YahooファイナンスとExcelを使って実践する方法を学びます。

<FP資格取得の姉妹勉強会 ご案内>
■2019/1/13(日) FP2級 頻出重要ポイント&難問対策総仕上げ勉強会
■2019/1/19(土) FP3級 頻出重要ポイント(2級基礎)総仕上げ勉強会

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
https://money-study.net/schedule.htm
※パソコン・スマートフォン両対応のサイトです。

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2018年12月03日

保険と相続・事業承継のニーズが増えていく?

ここ最近は、保険会社から銀行へ出向する人が増えているそうです。

出向者を受け入れる金融機関の目的は、法人向け保険の販売を強化するため。
お金を貸すだけでは収益を上げづらいため、節税や相続のコンサルで収益を上げようとしているようです。

ただ、経営者相手の場合は、保険単独のトークでビジネスを成立させることは難しく、財務や事業承継に関する知識も必要になっていきます。

この領域で活躍するためには、幅広い領域でお金のことを学べるFP資格は役に立つかもしれませんね。
2級じゃなくて、1級やCFPレベルの知識まで必要には場面も、ありますから。

これから先、相続や事業承継の案件は増えていきそうです。
相続や事業承継に強いと、今後に活躍の幅が広がるかもしれませんね。
 

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  今後の勉強会の開催予定
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■12/16(日) FP6分野の新制度&制度改正 徹底学習勉強会(FP1級・CFP試験対応)
税や社会保険などFP6分野にわたる制度改正を、広く深く学べる内容です。
時代に合った提案ができ、お客様に価値を提供できるFPを目指しましょう!

■12/20(木) 顧客のためのFPアドバイス研究 老後資金の取り崩し設計編
グループワークや相談シミュレーションの形式も採用し、皆さんで楽しく
議論しながら、老後生活に関するFP提案スキルを高められる内容です。


<FP資格取得の姉妹勉強会 ご案内>
■12/16(日) FP1級新制度&制度改正 徹底対策勉強会(CFP試験対応)
■12/22(土) FP技能士1級学科 頻出重要ポイント対策勉強会
■2019/1/13(日) FP2級 頻出重要ポイント&難問対策総仕上げ勉強会
■2019/1月予定 FP3級 頻出重要ポイント(2級基礎)総仕上げ勉強会

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