2017年12月06日

相続税の納税猶予制度が、さらに改正される予定です

2018年度の税制改正で、非上場株式の相続税の納税猶予制度の拡充を検討していることが発表されました。
以前からこの制度自体はあったものの、実務上の使いづらさがいろいろ指摘されていることもあり、毎年のように制度改正がなされています。

今回の改正事項としては、下記が検討されています。

・全株式を、納税猶予の対象にする
 (現行では、全株式の3分の2まで)

・猶予する相続税額は、対象株式の全額にする
 (現行では、対象税額の8割を猶予)

・複数の相続人が、納税猶予制度を利用できる
 (現行では、50%超の議決権数を保有する筆頭株主のみ利用できる)

・廃業時に納税額を納める場合、廃業時の評価額で相続税額を計算する
 (現行では、承継時の評価額で相続税額が計算される。通常は、廃業時より株価は高い)


中小企業の事業承継が円滑に進めば、後継者がいなくなって廃業する会社も少なくできるのではないでしょうか。

納税猶予制度は使いづらい一面があると書きましたが、使いやすさが向上すれば、事業主に対するファイナンシャルプランニングの提案の幅は広くなりますね。
日本の事業を支えていく制度として、期待したいと思っています。
 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 今後の勉強会の開催予定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●2018/1/14(日) 家計シミュレーションソフトで家計分析・改善をやってみよう
●2018/1/14(日) 保険見直しFP相談やってみよう(自分と家族の保障で板挟み編)

<姉妹勉強会のご案内>
●2018/1/13(土) FP技能士2級 頻出重要ポイント&難問対策総仕上げ勉強会
●2018/1/21(日) FP技能士3級 頻出重要ポイント(2級基礎)総仕上げ勉強会

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
https://money-study.net/schedule.htm
※パソコン・スマートフォン両対応のサイトです。

posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 06:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 贈与・相続・事業承継

2017年12月03日

小規模宅地の特例の適用範囲を狭める法改正が検討されています

相続税の課税ルール変更が検討されています。
ひとつは一般社団法人を使った節税策、もう一つはFPの間でも有名な小規模宅地の特例です。

【関連記事:相続税逃れに待った 社団法人の悪用目立つ】
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24038930Z21C17A1000000/

記事中にも書かれていますが、親→子へと財産を移転すると相続税がかかるものの、社団法人を経由すると相続税がかからない、という実態を国税庁は変えたいようです。
これは、知っている人は知っている節税手法ではありますが、税感覚が高い人にとっては「グレーな方法だなあ」という認識は以前からあったものです。

小規模宅地の特例については、記事中に次のように説明されていました。

======
また、宅地の相続時にかかる評価額を8割減らす制度を使った節税策も防止する。同制度では親と子が別居していても、子に持ち家がない場合などに特例として減税を受けられる。相続を受ける子が自らの建物だけを孫に贈与することで持ち家がない「家なき子」となり、特例の適用を受けるケースが増えているという。
======

なるほど!そんな手があったか!と記事を見て知りました(笑)
確かに、「自宅を持ってさえいなければ」という状況を作り出せれば、特例を使えますからね・・・

しかし小規模宅地の特例適用範囲がどのように狭くなるかは今後の議論で決まるでしょう。
特例の使い勝手が悪くなると、地価の高い不動産が敬遠されるなどの影響が出るかもしれませんね。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 今後の勉強会の開催予定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●2018/1/14(日) 家計シミュレーションソフトで家計分析・改善をやってみよう
●2018/1/14(日) 保険見直しFP相談やってみよう(自分と家族の保障で板挟み編)

<姉妹勉強会のご案内>
●12/3(日) 難関FP1級学科を乗り越えるための合格ガイダンス会
●2018/1/13(土) FP技能士2級 頻出重要ポイント&難問対策総仕上げ勉強会
●2018/1/21(日) FP技能士3級 頻出重要ポイント(2級基礎)総仕上げ勉強会

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
https://money-study.net/schedule.htm
※パソコン・スマートフォン両対応のサイトです。

posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 08:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 贈与・相続・事業承継

2017年10月30日

相続で、遺産を明確に特定できないトラブル事例と、その解決方法について

ここ最近は、勉強会のご案内のお知らせが多くなってしまっています。。。
私のほうで複数のFP関連の勉強会を運営していますが、10月から12月にかけて、勉強会の開催が2週に1回の頻度となっています。
スケジュールの変更があったり、どうしても時期的な開催要因の理由もあったりして、このような頻度になっていまいましたが、運営する側としては、とてもあわただしいのです(笑)

なので勉強会のご案内がちょっと多めになりますが、ご容赦ください。

11/18(土)に、「遺産が確定できず分割もできないという相続トラブル解決&防止法」というテーマで勉強会を開催します。
これに関連して、今回は相続の話題をお届けしたいと思います。

 
FP試験でも「遺産分割」について学びますよね。
実際の相続事例において、必ずしも遺産をきれいに分割できるケースばかりではありません。
うまく分けられないため、遺産相続でもめるというお話は、みなさん聞いたことがあるのではないでしょうか。

遺産の中に金融資産が少なく、持ち家など不動産が大部分を占めている場合は、そもそもどうやって分ければよいのかで困ります。
(土地や建物は、物理的に分けることができません)
相続人が、お互いに取り分を主張して合意が取れず、やむなく家庭裁判所による調停・審判によって遺産分けを行うケースもあります。
(調停分割・審判分割は、年間1万件以上あります・・・)

遺産分けが難しくてもめるケースもありますが、一方で、遺産の存在自体でもめるケースもあります。
例えば、遺産の中に不動産が存在するものの、登記が正しく更新されていないことから調査を進めていくと、亡くなった人の土地だと思っていたのに、実はそうでない人の所有物だった、ということがわかる場合もあります。
こうなると、遺産を明確に特定できない事態になります。
その土地が遺産に含まれるのか含まれないのかで、相続人の法定相続割合の金額が変わったり、納得できる遺産分割のやり方も変わります。
なので、遺産なのかどうかを特定すること自体が、相続における最重要課題となってしまいます。

同じく遺産を特定できない事例として、亡くなった人の銀行口座が、他人の名義預金だった/いや亡くなった人の預金だ、という観点でもめるケースもあります。

別の事例では、保険金が「特別受益」に該当するのかどうかで争われるケースもあります。
受取る保険金は、原則として受取人固有の財産となりますが、特別受益とみなされると、それを持ち戻して遺産分割を行うことになります。
したがって、特別受益とみなされるかどうかで法定相続割合の金額や、分割の仕方が変わるため、やはり遺産分割の最重要事項になってしまうのです。

ここまででいろいろな事例を取り上げましたが、遺産であるのかないのかで、相続人間で利害が対立することもあります。こうなると、誰しも損はしたくありませんから、相続人の間で主張が対立し、簡単に解決できない問題へと発展することもあるわけです。

 
このように、どこまでが遺産なのかが明確でないトラブル事例を扱い、どのような解決法・防止法があるのかを考えるのが、次回11/18(土)の勉強会です。
FPの業務範囲を超えた内容を扱う、ちょっと濃い内容になりますが、相続に関する深い知見も得られますので、ご興味をお持ちになりましたら是非ご参加ください。

勉強会終了後には、懇親会も行います。
運営スタッフや参加者の皆さんと、楽しく学べる1日になればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 今後の勉強会の開催予定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●11/3(金・祝) 社会保険を徹底理解&説明スキルも高めよう(1級試験対策にも)
●11/18(土) 遺産が確定できず分割もできないという相続トラブルの解決&防止法

<姉妹勉強会のご案内>
●11/18(土) 受験前に役立つ情報満載!FP技能士3級2級合格ガイダンス会
●12/3(日) 難関FP1級学科を乗り越えるための合格ガイダンス会

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
https://money-study.net/schedule.htm
※パソコン・スマートフォン両対応のサイトです。

posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 19:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 贈与・相続・事業承継

2017年04月21日

おひとりさまの相続で出てくる「特別縁故者」の深い話 その3

おひとりさまの相続について、3回にわたってお話をしています。
すなわち誰も相続人がいないケースです。

この場合「特別縁故者」と呼ばれる、かつて亡くなった方と深い縁があった人に財産がわたる、と説明されることが多いです。

でもその実務を見ると、案外、話はそう単純じゃないということを、これまで2回にわたって説明してきました。
今回は、特別縁故者になるための手続きや、特別縁故者にかかる相続税など、実務的な観点で補足いたします。

 
特別縁故者となるためには、家庭裁判所にその旨の申し立てをする必要があります。
申し立てのタイミングも決まっており、申し立てをしなかった場合は、特別縁故者としての地位を得ることはできません。

おひとりさまの死後、遺産の処理が相続財産管理人のもとで進められます。
その過程で、家庭裁判所において相続人を捜索する期限が設けられています。その期限終了後から3か月以内が、特別縁故者となるための申し立て期間となります。
このタイミングを逃さないことが重要です。

ただし、申し立てをすれば特別縁故者に必ずなれる、というものでもありません。
最終的には、申し立ての内容をもとに、家庭裁判所が判断をします。

結果、特別縁故者の地位が認められた場合は、おひとりさまの財産を受け取れることになります。
財産を受け取ると、遺贈により相続財産を取得したとみなされるので、相続税の納税義務が発生します。
以下では、特別縁故者にかかる相続税について補足します。

 
まず、適用される税制や相続に関する法律は、おひとりさまが亡くなった日となります。
特別縁故者として財産を受け取った日の、税制が適用されるわけではありません。
おひとりさまが亡くなってから、特別縁故者に財産が渡るまでは期間を要し、その間に税制改正が行われる場合もありますから、この点は注意が必要です。

相続税の申告と納税は、特別縁故者として財産を受け取れることを知った日の翌日から10ヶ月となっています。原則的な「おひとりさまの死亡から10ヶ月」ではありません。
相続税の計算のもととなる財産評価は、特別縁故者として財産を受け取る時の相続税評価額となります。原則的な「おひとりさまの死亡時点」ではありません。

特別縁故者にかかる相続税は、常に2割加算の対象となります。
そもそも、法定相続人ではありませんからね。

また、特別縁故者が、おひとりさまからその死亡前3年以内に財産の贈与を受けていた場合は、それは相続税の課税価格に加算されます。これは、相続税計算の原則ルールでもあります。

 
以上のとおり、特別縁故者には手続きと納税が必要となります。

これからおひとりさまの相続も増えることが見込まれています。
当初は法定相続人がいたとしても、長寿社会においては相続人のほうが先に死亡し、結果的におひとりさまになるケースもあります。
おひとりさまにアドバイスをする機会には、以上の内容が参考になれば幸いです。
 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 今後の勉強会の開催予定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●4/22(土) 相続相談事例から学ぶ、計画的な相続対策
2つの相続相談事例を取り上げ、相続に関する問題をどのように解決すれば
よいかを考えていきます。相続における実践力が身につく内容です。

●4/22(土) 資産運用・不動産活用・相続分野でFP業務に役立つIT活用勉強会
ライフプランニング以外で、これら3つの分野でFPの皆様に役立つソフトに
関する情報提供・意見交換を行う内容です。

●5/13(土) FP2級 頻出重要ポイント&難問対策勉強会
●5/21(日) FP3級 頻出重要ポイント(2級基礎)対策勉強会

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
http://money-study.net/schedule.htm
※パソコン・スマートフォン両対応のサイトです。

posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 06:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 贈与・相続・事業承継

2017年04月18日

おひとりさまの相続財産、年間400億円が国有財産に

おひとりさまの相続を話題にしている最中ですが、タイムリーなニュースがありました。
おひとりさまが亡くなられた後、誰にも相続されずに国有財産となった財産が、2015年度に400億円以上もあったそうです。

ちなみにこの金額は、ニュース中の発言から推測して、どうやら現預金の額のようです。ということは、これ以外に不動産、金などの実物資産も別で存在するようです。

国有財産となる相続財産の額は、10年前の2.5倍にもなっているそうですが、その背景にあるのが生涯未婚率の上昇と分析されていました。

このように行き場のなくなった相続財産。
国有財産となっても、特別縁故者に受け継がれても、有効に活用していただきたいものです。
 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 今後の勉強会の開催予定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●4/22(土) 相続相談事例から学ぶ、計画的な相続対策
2つの相続相談事例を取り上げ、相続に関する問題をどのように解決すれば
よいかを考えていきます。相続における実践力が身につく内容です。

●4/22(土) 資産運用・不動産活用・相続分野でFP業務に役立つIT活用勉強会
ライフプランニング以外で、これら3つの分野でFPの皆様に役立つソフトに
関する情報提供・意見交換を行う内容です。

●5/13(土) FP2級 頻出重要ポイント&難問対策勉強会
●5/21(日) FP3級 頻出重要ポイント(2級基礎)対策勉強会

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
http://money-study.net/schedule.htm
※パソコン・スマートフォン両対応のサイトです。

posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 12:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 贈与・相続・事業承継