2016年04月27日

FPの理論矛盾:リスクは取るべきか取らぬべきか

みなさま、こんにちは。
FPスキル活用勉強会運営スタッフ(公式サイト管理人)の佐藤です。

 
住宅ローンは固定金利で組め、というのが大半の(メディア系・執筆系の)FPの主張です。
万一、金利が上昇したら多額の出費につながって家計が大変なことになるので、そんなリスクは取るな、という主張です。

その一方で、これらのFPは、利率の低い預貯金はやめて、高い利回りを期待できるものに投資せよ、と主張します。
将来の資産形成を考えれば、ここはリスクを取るべきだ!、という主張です。

いつも違和感を感じるのですが、お金にまつわるリスクの取り方に対する主張が、真逆なのです。
同一人物が、真逆の理屈を堂々と述べていることも珍しくありません。

将来の不確実性をリスクと言いますが、このリスクを受け入れるか、それとも避けるのか、という観点でつじつまが合わないのです。
こういう理屈の矛盾は、気づいている人は気づいています。
「何かおかしな話じゃないかな?」情報の受け手側にも、そう思っている人はいるのです。

 
不確実性を取らない(確定した将来のお金の見通しを立てる)という観点では、固定金利は理にかなっています。そうであるなら、株式などの投資商品は将来の価値は見通せず、元本割れ損失となる場合もあるので、定期預金や安全性の高い債券で運用するほうが、理にかなっています。

一方で不確実性を取り(リスクを受け入れ)資産運用に臨むなら、変動金利でローンを組むことも理にかなっています。金利が上がれば不利になりますが、金利が下がればその恩恵を受けられます(より低いローンに借り換えればよい)

 
FPを名乗る方にはあまり知られていないことですが、リスクを減らす(不確実性をなくす/将来の金額を確定させる)ためには、コストがかかります。
住宅ローンであれば、固定金利の方が高い金利を支払うことになります。
資産運用における預貯金や安全性の高い債券は、ご存知の通り、得られるリターンも小さくなってしまいます(コストがかかってしまった結果、得られるリターンが小さくなったと解釈すればよい)

これは、不確実性をなくす代わりに、取引の相手方(ローンでお金を貸してくれる側、預金利息を払ってくれる側)がより多くリスクを負担することになるので、その対価が何らかの方法で相手方にわたるようになっているからです。
なので不確実性をなくすと、その分コストがかかってしまうのです。

 
将来の不確実性をどのようにとらえ、どのように不確実性に対して対処していくべきなのか。
他人のお金の相談にのる立場であるFPにとっては、これを判断するスキルが大切だと思います。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 今後の勉強会の開催予定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・2016/4/29(金) 第2回 年金・社会保険の相談シミュレーション勉強会

グループワークなどを取り入れ、参加者同士で楽しく学べる和やかな雰囲気が
特長です。「楽しくもしっかり学ぶ」「明日から役立つ実践的な学びを得る」を
モットーに勉強会を開催しています。

・実践的なお金の問題解決法を学びたい
・FP知識と技能を活かし、家族や知人のために行動していきたい
・FP知識を、より一層仕事に活かしていきたい
・FPに関連した人脈を広げたい

とお考えの方にとってピッタリの、役に立つオススメの勉強会です。
皆様のご参加を、お待ちしています!

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
http://money-study.net/life-plan/session/
※PCスマホ両対応のサイトです。

 
posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 06:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融資産運用・経済

2014年02月22日

株は長期投資すべき?

過去の株式投資に関するデータをもとにして「一時的に下がった株でも、長期で保有し続ければ、最終的には損失が解消される可能性は高い」と主張する人がいます。
しかしそのデータには、高度成長期のデータを含んでいる場合もあり、今後もそれが通用するとは言い切れません。後から振り返れば、その当時は損失があっても、やがて利益に変えることができた時代だったといえるのであり、今後も同様の結果を得られると考えるべきではないでしょう。

「損を抱えても、長期で保有すればやがて値上がりの可能性が高まるから大丈夫」というアドバイスは、将来の値上がりを前提としているという点で、「この株は絶対に上がる」という詐欺のようなアドバイスともいえます。
もしそのアドバイスが本当に通用するなら、損は抱えておけばいいという短絡的な対処法で解決できます。あらゆる金融機関は不良債権処理などする必要がありませんし、金融機関が破たんすることもありません。

株などに対する投資は、常にその時の経済状況や今後の見通しを十分に把握し、今後どのような値動きとなるのかを改めて考えたうえで、行うべきでしょう。
長期保有すれば大丈夫という理論には、理屈上の欠陥があることも知っておいてください。
posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 21:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融資産運用・経済

2014年02月20日

リスクを年率換算することに意味はない

今日は、投資に関する話題です。リスクについて述べていますが、ここでいうリスクとは、価格変動リスクの大きさを表すものとお考えください。


長期投資の魅力を伝えるためなのか、長期投資にするほどリスクが低いことを示すグラフが提示されていることがあります。その中に、リスクの値を投資年数で割り算し、リスクを年率に換算して表示しているものがあります。たとえば、10年間におけるリスクが20%であれば、1年当たり2%のリスク、というように表現している場合があるのです。

収益率は年率で出すことに意味はありますが、リスクは年率で出すことに意味はありません(年ごとに出す意味はありますが)
月間の平均気温を日数で割り算するようなもので、割り算した結果には実質的な意味は含まれていなくなっています。

リスクをこのように年率換算すると、ほぼすべてのケースで長期投資ほどリスクは小さくなります。
仮に100年運用すれば、リスクの数値を100で割り算するので、ほぼ1%を切る数値となってしまいます。

しかしこの計算が実質的な意味を持っていないことを理解し、リスクを求めるには本来の計算式で求めたうえで、適切な比較のもとで判断することが重要です。

そもそも、「リスク」とは何かを、FPが十分理解していないケースも見受けられます。リスクという言葉が意味するものは非常に多岐にわたるのですが、価格変動リスクとは何かをきちんと押さえていることは専門家としても重要なポイントだと思います。
posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 10:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融資産運用・経済

2014年02月17日

株価の動きは正規分布?

本日は投資理論と正規分布についての話題です。
ちょっと小難しい話題かもしれませんが、お付き合いください。

FP試験の2級以上において、正規分布についての問題も出題されています。

様々な投資理論において、株価や円相場の変動は、正規分布に従うことを前提としています。
実際には、正規分布に近い変動を示すことは多いですが、厳密にはそうではないことが確認されています。(それに、正規分布であると数学的に証明されているわけではありません)

現実の値動き分布は、多少値下がりに方面に偏っているようです。これは、値上がりの時よりも値下がりの時の方が価格変動の勢いが強い傾向があるためです。

また実際の値動き分布の特徴として、極めて大きく値下がりする確率が、正規分布に比べてやや高くなっています。これは、大幅な下落の時には、金融機関の売りがさらに一斉に行われる傾向があるためと考えられています。

正規分布を使うことで、リスクやリターンを数学的にとらえやすくなるというメリットはあります。
しかし現実には多少なりともそれとはズレがあることを、感覚的または数学的にとらえておくことも、大切なことではないかと思います。
posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 19:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融資産運用・経済

2014年02月16日

プライベートバンクは脱税には協力しない

今日、プライベートバンクについて話をする機会がありましたので、このブログでもご紹介したいと思います。

プライベートバンクに資産を預けると、税務当局から守秘義務を盾に、その金額を非公開にしてもらえると考えている人がいます。しかし最近ではきちんと税務当局に必要に応じて情報提供をするケースが増えています。

プライベートバンクは、違法行為に手を染めることはありません。法を適切に順守のうえで可能な節税対策は行いますが、脱税になるようなことは行いません。
ただしどの国の法律が適用されるかによって損得が分かれることがあり、その指南をしてくれる場合はあります。

「プライベートバンクで【悪用】ができる」などと考えている人もいるようです。
しかし現実にはそうではなく、悪用することは難しいのが現実のようです。
posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 19:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融資産運用・経済