2017年12月28日

仮想通貨は、資産運用の3つのリスクが無くなってこそ有益な通貨となる その1

今年2017年も終わり、間もなく新しい2018年の始まりですね。
今年は、仮想通貨が大きな話題となった一年となりました。

「仮想通貨って、持っておいたほうがいいですか?」と、私も時々質問を受けるようになりました。
その質問には、おおよそ次のようにこたえています。

・いいと思ったら、買いましょう
・私はいいと思ってないので、持ってません
・人におすすめもしません。自己責任でお願いします。

・・・なんて味気ない答えなんでしょう!(笑)

でも、仮想通貨の原理や仕組みをIT技術的・経済学的な面からも理解したうえで、仮想通貨を取り巻く環境を考慮し、しかも仮想通貨のことをよくわかっていない人に対しては、どうしても、こう答えたくなってしまいます。

言い換えれば「投資は自己責任で」という気持ちで、お答えをしているのです。


世間には、仮想通貨に絶対的な注目を置いている人もいますよね。
特に、仮想通貨を扱う業者や、仮想通貨を題材に注目を浴びたい人(講演・執筆業)が、仮想通貨を盛り上げているようにも思います。

その一方で、仮想通貨を強く否定する人もいますよね。
ただ、この方は仮想通貨のデメリット面ばかりを強調しているように、私には見えます。

この両極の間にいる方が大半だと思います。
ところが、仮想通貨のメリットもデメリットも、分かったような分からないような・・・という感覚の方が多いのです。
(それが普通ですからご安心ください、時代に遅れているわけでもありません)

そういうわけで、仮想通貨って持つべきなの?というご質問に至るわけです。


では、私の仮想通貨に対する考え方を、少しずつ説明していきます。

仮想通貨は、「通貨」とは呼ばれているものの、通貨と同等には使いづらいものです。
なぜなら、仮想通貨には、まだ次の3つのリスクを有しているためです。

・価格変動リスク
・信用リスク
・流動性リスク

ずばり資産運用における3つのリスクを、仮想通貨は有しています。
だから「仮想通貨=投資商品」という考え方はできても、「仮想通貨=通貨」とは言えないと考えているのです。


分かりやすく説明するために、みなさんがお持ちの円通貨を考えてみてください。

まず、価格変動リスクはありません。1円と値が付けられた商品は、必ず1円玉で購入できますよね。
ちょっとわかりにくい例えかもしれませんが、こういう見方から、価格変動はないといえます。
(経済学の観点で深く突っ込むと、実は通貨そのものにも価格変動リスクは存在しているのですが、めちゃくちゃ学術的な話になって本筋から外れるので、ここでは考えないことにします)

次に、信用リスクもありません。
と言い切りましたが、日本では、という前提を置きます。
円通貨が突然使えなくなったり、他の通貨に強制交換されるといった恐れはありません。通貨の存在を、日本国家が保証してくれていることから、この観点から信用リスクはないといえます。
(これも厳密にいえば、日本国家が消滅・日本経済が破綻するような事情となれば信用リスクがあります。他国では現にこういったことが起こり通貨が使えなくなる事例があります。これを考慮に入れると、他の様々な経済理論やお金のルールも同時に破綻するため、話を簡単にするために現時点の日本において、このリスクは考えないことにします。)

最後の流動性リスクですが、これもありません。
現金を持っていれば、使いたいときに他のものと交換できる利便性があります。
日々のお買い物に支障がないのも、円通貨さえ持っていれば、あらゆるものが手に入る、極めて利便性の高いものだからです。
(またまた突っ込んだ話をすると、「現金お断り・電子マネーオンリー」をうたうのお店が増えたり、店舗が消えてネット通販ばかりになる世の中になったら、流動性リスクがあるんじゃないかと思われるかもしれません。使いたいときに使えないことを指せば流動性リスクではあるのですが、これは支払方法の違いであり、やり取りするのは最終的には円通貨です。つまり、円を単位として値段がつけられたものに対して、1円玉で払うのか、1万円札で払ってお釣りをもらうのか、それとも電子マネー・クレジットカードで払うのか、という決済手段の違いであって、円通貨が使えないというわけではありません。この観点も踏まえて、流動性リスクはないと考えることにします)


仮想通貨の話が、こってりと円通貨の話になってしまいましたが・・・
仮想通貨のことをしっかり説明するために、あえて資産運用の3つのリスクを持ち出し、前振りの説明をいたしました。

この3つのリスクを持たないものが、通貨として安心して使える、つまり決済手段として大きな役割を果たせると私は考えています。
これを踏まえて、仮想通貨について説明をしていこうと思いますが、長くなってしまったので続きは次回にお伝えしたいと思います。

(当初はここに年末のあいさつを入れようと思ってましたが、次回に延期させてください・笑)

 

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■ 今後の勉強会の開催予定
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●2018/1/14(日) 家計シミュレーションソフトで家計分析・改善をやってみよう
●2018/1/14(日) 保険見直しFP相談やってみよう(自分と家族の保障で板挟み編)
●2018/2/17(土) 若者向け金融教育を体験し、実践できるようになろう

<姉妹勉強会のご案内>
●2018/1/13(土) FP技能士2級 頻出重要ポイント&難問対策総仕上げ勉強会
●2018/1/21(日) FP技能士3級 頻出重要ポイント(2級基礎)総仕上げ勉強会

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
https://money-study.net/schedule.htm
※パソコン・スマートフォン両対応のサイトです。

posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 09:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融資産運用・経済

2017年09月13日

リスク許容度を損失の大きさで測る場合の注意点

数千万円以上の資産を持っている方に対して資産コンサルティングや家計診断を行う場合、「資産運用」の提案をするケースがあるでしょう。
その場合、相手のリスク許容度を測り、その方に適した資産運用提案をすることが大切です。

リスク許容度の測り方は様々ありますが、その場合の一つの注意点をご紹介したいと思います。

資産運用における損失にどれくらい耐えられるかを測るために、
「100万円を投資した結果、20%の損失が出ることを許容できますか?」
というような質問をして、「許容できる」という回答を得たとします。

このとき、「この方は20%の損失まで耐えられるんだ」安易に判断してはいけません。
なぜなら「100万円ではなく手持ちの500万円を投資したとしたら、20%の損失は許容できない」と判断するかもしれないからです。

つまり、
100万円の20%=20万円の損失なら、許容できる
500万円の20%=100万円の損失なら、許容できない
というように、損失の絶対額で判断することがあるのです。

投資金額が大きくなるほど、同じ損失割合(マイナスリターン)であっても、損失の金額は大きくなります。
ですから、資産運用に投じる額も把握し、さらに万一の損失が生じた場合のライフプランニング(キャッシュフロー表)をも考慮して、リスク許容度を測ることが望ましいです。
資産運用提案を行う場合には、この点も参考にしてくださいね。

 

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■ 今後の勉強会の開催予定
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●9/18(月・祝) FP家計診断やってみよう(1億円以上ある方の定年前リタイア編)
このテーマに関する2つの相談事例を使い、FPとしてどのように資産
コンサルティングを進めていけばよいかを、実践的に学びます。

●10/22(日) 下記の2つの勉強会を、午前と午後に開催します
・家計シミュレーションソフトで家計の見直し&保険の見直しを自分でやってみよう
 (FPの方は、相談者の家計診断を効率よく行う方法を学べます)
・遺産が確定できず分割もできないという相続トラブルの解決&防止法

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
http://money-study.net/schedule.htm
※パソコン・スマートフォン両対応のサイトです。

posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 22:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融資産運用・経済

2017年09月07日

リタイア後に資産運用をすべきかどうか、というお話

次回の勉強会は、9/18(月・祝)に下記のテーマで開催します。

・FP家計診断やってみよう(1億円以上ある方の定年前リタイア編)

その予習となる情報提供も兼ねて、定期的にリタイアメントプランニングについて書いています。

今回は、リタイア後に資産運用を行うべきか、という話題です。
多様なリタイアメントプランニングがありますが、本日ご紹介する内容を、プランニングの一つの考え方として見ていただければと思います。

 
リタイア後の収入は、主に公的年金となる方がほとんどでしょう。
年金だけで暮らしていくことに不安を持ち、資産運用で収入を確保することを検討する人もいます。

FPとしては、ここで資産運用を提案したくなるかもしれません。
しかし、資産運用をすべきかどうかを、しっかり把握することが重要です。

 
リタイア後の資産運用は、余裕資金で行うべきです。
ということは、リタイア生活を送る方に、そもそも余裕資金があるのかどうかを把握しなければなりません。

老後のライフプランシミュレーションを行った結果、早期に資産が底を尽きるのであれば、資産運用以前に、まず生活設計を見直す必要があります。
資産運用をせずとも(運用益が常時0%で)問題のない収入と支出のバランスを整えることを、先に行うべきといえます。

不足する生活費を、資産運用で稼ぎ出すという発想は、安易な発想です。
万一、投資で元本割れを起こすと、より一層生活が苦しくなってしまいます。
そうなると、「FPに生活費を奪われた!」と相談者は感じるかもしれません。

とはいえ、将来的に資産が減少するにしても、退職金をもらった直後など、ある一定額の資産がまとまっている場合には、リスクの低い商品(急な価値低下が起こる可能性が極めて低い商品)で運用するという方法はあります。
相談者の資産を増やすことではなく、安心できるリタイアメントプランニングを立案することが、本来のFPに求められる姿勢だと思います。

 
次回9/18(月・祝)に行う「FP家計診断やってみよう(1億円以上ある方の定年前リタイア編)」では、相談シミュレーション形式で進めます。
自分がFPとしてどう相談に臨むのかを考えながら、リタイアメントプランを立てる練習にもなります。

ご興味をお持ちになりましたら、どうぞご参加ください。
勉強会の詳細は、下記のご案内をご覧ください。
 

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■ 今後の勉強会の開催予定
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●9/18(月・祝) FP家計診断やってみよう(1億円以上ある方の定年前リタイア編)
このテーマに関する2つの相談事例を使い、FPとしてどのように資産
コンサルティングを進めていけばよいかを、実践的に学びます。

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
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posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 06:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融資産運用・経済

2017年07月19日

投資のプロとサル、どちらが投資で勝利したのかという話 その4

「投資のプロは、サルにも負ける」という格言(?)から始めた話題です。
アクティブファンドとインデックスファンドの比較について、いろいろな観点で取り上げています。

今回は、インデックスファンドに焦点を当てて、話を進めてみます。

 
「アクティブファンドへの投資はやめて、インデックスファンドにすべき」
という意見が、FPの世界の中では多くを占めているように感じています。

インデックスファンドを超えるリターンを出しているアクティブファンドが、アクティブファンド全体の半分くらいしかない(調査対象によっては2割程度しかない)、とも言われていますよね。

アクティブファンドがインデックスファンドのパフォーマンスを超えられない理由を、多くの方が述べています。
その理由は、おおよそ次のようなものです。

・アクティブファンドのほうが手数料・信託報酬が高いから
・ファンドマネージャーといえども、値上がりする銘柄を選ぶことはできないから

 
このような理由はもちろんあると私も考えていますが、もう一つ別の理由があると考えています。
それは、そもそもインデックスファンドに買い圧力がかかっているということです。
投資するならインデックスファンドのほうが良い、と考えている人は多くいます。
ましてや、国や機関投資家が多額のお金を投じてインデックスファンドを買いあげることもありますよね。
どのような商品であれ、買いたいと思う人が集まる商品は、値上がりの圧力がかかるものです。
これが結局、インデックスファンドのパフォーマンスを上げる原因にもなっていると、私は考えています。

もし将来、逆に「インデックスファンドはやめた方が良い」という話題が広がったり、国や機関投資家が保有銘柄を一斉に売却するようなことになった場合は、インデックスファンドがアクティブファンドに比べて相対的にパフォーマンスが下がる可能性はあるかもしれません。

この観点は、忘れないでおきたいと思っています。

 
投資のプロとサルの勝負の話は、投資の世界ではいろいろなところでたとえ話として用いられています。
その話題から、アクティブファンドとインデックスファンドとで、なぜパフォーマンスが違うのか、というところを話題にしてきました。

賃貸と持家のどちらがいいのか、というのと同じ「永遠のテーマ」として、アクティブファンドとインデックスファンドは今後も語られるのではないかと思っています。
皆さん自身が投資をするとき、またお客様の資産運用の相談に乗るとき、両者の違いについて考えていただくきっかけになりましたら幸いです。

 
たった4回の連載ですが、第1回目からすごく期間を要したなあと思います(笑)
途中、勉強会の運営対応が入ったことと、FP1級勉強会の教材つくりに時間を割いていたので、こちらにまでちょっと手が回らなかった、といういいわけもあります・・・

こちらで書いている内容の多くは、FPの皆さんとの会話の内容をもとにしています。
いろいろなネタがありますので、FPの皆様のお役に立てることも含めながら、また次回以降、話題を変えてお伝えしていこうと思っています。

 

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●7/22(土) 身近な事例から学ぶ、金融オプションの正体と損得判断
FP試験でも出題される、金融のオプションを基礎から学びます。
この1日で、FP1級/CFPレベルのオプション知識が得られます。

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
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posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 21:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融資産運用・経済

2017年07月05日

投資のプロとサル、どちらが投資で勝利したのかという話 その3

「投資のプロは、サルにも負ける」という格言(?)から始めた話題です。
前回から、アクティブファンドとインデックスファンドの比較の話題を、取り上げています。

今回は、あるアクティブファンドのファンドマネージャーを務めていた方から、私が以前に聞いたお話をご紹介します。

 
その方は「アクティブファンドの成績を下げる一因は、投資をした顧客側にもある」ということを言っていました。
どういうことかというと、ファンドマネージャー側では投資成績を上げるために、どの銘柄を売るか、どの銘柄を買うか、という方針を立てています。
それに沿って売買を行うのですが、相場が急変した場合にはそのファンドを解約する投資家が増えて解約資金を捻出する必要があります。そのため、資金的に買いたい銘柄をなかなか買えない、という事態になり、それが投資パフォーマンスの向上を妨げる場合があるとのことです。
ファンドマネージャーより顧客の戦略(?)を優先せざるをえない事情もあるため、ファンドマネージャーの思い通りにいかないこともあるのだそうです。

 
ファンドのパフォーマンスが落ちるのを、顧客のせいにするのもどうかと思うのですが(笑)、事情は理解ができます。
相場急変時のそういった事情で、市場平均と比較して大きくパフォーマンスを下げてしまうと、その損を取り戻すのも大変です。

 
でも、ファンドマネージャーの思い通りに売買できないというのは、頻繁にあることのようには思えません。
そういうときもある、という話なのでしょう。
なので、ほとんどのケースでは、ファンドマネージャーの戦略の通りの売買が行われていると考えられます。

 
アクティブファンドのパフォーマンスが悪化する原因は、戦略通りの売買ができない一面はあるかもしれませんが、それでもファンドマネージャーの力量が発揮された結果のパフォーマンスと考えるのが自然かな、と個人的には思っています。

 
さて次回は、インデックスファンド側に話を移します。
インデックスファンドの優位性について、私なりの私見も交えながらお伝えしたいと思っています。

 

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■ 今後の勉強会の開催予定
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●7/9(日) 高校生向け金融教育を体験し、実践できるようになろう
高校生向けの金融教育の授業を実際に体験いただき、それをマネすれば
あなたが若い世代への金融教育を行える立場になれる!という企画です。

●7/22(土) 身近な事例から学ぶ、金融オプションの正体と損得判断
FP試験でも出題される、金融のオプションを基礎から学びます。
この1日で、CFP/1級技能士レベル相当のオプション知識が得られます。

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
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posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 21:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融資産運用・経済