2019年08月24日

ファンドの好成績な点ばかり見ていませんか?報じられていない点も確認してみよう

今日は、投資に関する話題です。

ロボアドバイザーで有名な「THEO」が、参照している指数を上回るリターンを出していると説明した記事があるので、まずはこの記事をご覧ください。
以下では、この記事をお読みいただいた前提で、話を続けていきます。

・相場の大きな変動とTHEOの運用について
https://blog.money-design.com/marketvolatility-1fa5dd26404f

 
この記事では、THEOが参照指数より高いリターンを出していたことが示されています。
ところで、THEOが出している情報は参照指数を上回る記事ばかりで、参照指数を下回る記事はほとんど見かけません。
(私が見ている範囲の中だけかもしれませんが)

なので、このような記事ばかり目にすると、THEOに投資したほうが儲かるという錯覚に陥ります。

 
一般の方が「よし、これに投資しよう」と決意するのは、資産が減るイメージを上塗りするほど資産が増加するイメージを持った時、また自分が行おうとしている投資法が他の投資法より優れている実感を得たとき、でしょう。
ある程度の儲かる心境にならなければ、人は投資をするという行動には移さないです。

なので、証券会社に限らずTHEO等の投資サービス事業者も、投資のいい点を強調するのは、ビジネス上自然な取り組みではあります。

 
さて、金融リテラシーが一歩高い方は、このように参照指数より高いリターンを一方的に説明された場合に、次のような発想も持ちます。

・特定の期間だけ、参照指数を上回っただけではないのか
・参照指数よりリターンが下回ったことはないのか
・過去のデータを取り寄せて、複数期間でリターンを比較してみよう

これは、アクティブファンドの評価で、ぜひ持っておきたい視点です。
今回はTHEOを話題にしていますが、それ以外のファンドについても同様です。

多様な視点で優劣を比較して判断することは、投資家として望ましい姿勢です。
ですが、これはややハードルが高いです。
なぜなら、その検証は自分自身で行わなければなりませんし、例えば過去の価格データを取得してExcelで計算式を作って確認するなど、それなりに作業も必要になるからです。

でも、ファンド側が出す情報が偏っているかどうかを客観的に検証するためには、欠かせない取り組みです。
投資に関していい情報ばかリ得た場合には、「それ逆となるケースは本当にないのか?」という視点を持ってみて下さいね。

特に、顧客から直接対価をもらってアドバイスを提供する方には、客観的に良し悪しを分析し、顧客に報告できるスキルが必要ですから。
 

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  今後の勉強会の開催予定
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■8/26(月) ライフプランソフトを使いこなすFPのための質問会・情報交換会
■9/22(日) ポートフォリオ理論を学び、低リスク高リターンな国際分散投資

<FP資格取得の姉妹勉強会 ご案内>
■8/25(日) FP2級 頻出重要ポイント&難問対策総仕上げ勉強会
■8/31(土) FP3級 頻出重要ポイント(2級基礎)総仕上げ勉強会

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
https://money-study.net/schedule.htm

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2019年08月08日

「投資できる金額」と「投資していい金額」は違う

住宅購入で、買える金額と、買っていい金額は違うよ、とFPの方はアドバイスされていますよね。
これと同じように、投資できる金額と、投資していい金額は違うよ、と思った一件をご紹介します。

「毎月〇万円投資したら〇年後には資産が〇〇万円になるよ」というFPの講演をきいて、投資にチャレンジされた方がいました。
その方はFPの言ったとおりに投資を実践されていましたが、たびたび投資資金を取りくずして、生活費に充てていたのです。

つまり、投資に回す余裕資金がない中で、無理に投資をしていたわけです。
これでは、資産が増えるどころか、貯金もたまりませんよね・・・

投資は余裕資金で、とも言われています。
収入の中から支出を差し引いた金額に、ある程度の余裕がなければ、積立投資には不向きです。
人々にこういう生活をさせてまで、FPは投資に人々を引き込んではいけないな、と思いました。

特に対面相談をするFPは、お客様の収支や財産状況を把握したうえで、プランニングを立てたりアドバイスをすることが求められます。
記事執筆や講演が主な業務となってしまうと、一人一人の状況を把握するという観点が抜けがちになりますので、皆さんも気を付けてくださいね。
 

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  今後の勉強会の開催予定
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■8/10(土) FP6分野の新制度&制度改正 徹底学習勉強会(FP1級・CFP試験対応)
■8/26(月) ライフプランソフトを使いこなすFPのための質問会・情報交換会
■9/22(日) ポートフォリオ理論を学び、低リスク高リターンな国際分散投資

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■8/10(土) FP1級新制度&制度改正 徹底対策勉強会(CFP試験対応)
■8/11(日) FP1級学科 頻出重要ポイント対策勉強会
■8/25(日) FP2級 頻出重要ポイント&難問対策総仕上げ勉強会
■8/31(土) FP3級 頻出重要ポイント(2級基礎)総仕上げ勉強会

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2018年12月08日

証券会社でラップ口座の利用が伸びている、というお話

先日、報道されていたのですが、ここ1,2年で、証券会社が手掛けるラップ口座の預かり資産残高が、伸びているとのことです。

証券業界はこれまで、金融商品を顧客に販売したときの手数料を主な収益源としていました。
これだと、金融商品を回転売買させれば手数料を稼ぐことができます。
株価が上昇しているときも、下落しているときも、その時流に合った理由とともに金融商品を紹介し、資産を組み替えてもらうことで手数料を稼ぐことができます。

しかしこの方法は最近、問題視されています。
というのも、回転売買によって顧客の資産から手数料がどんどん差し引かれていくので、それが本当に顧客本位のビジネスなのか、という見方が広がってきているのです。

 
そういう背景もあってか、売買の頻度に関係なく、顧客の資産の一定額を報酬として、資産運用のアドバイスを行うビジネスモデルが普及を始めています。
冒頭で述べたラップ口座もその一つで、顧客のニーズに応じて金融商品をあっせんし、ポートフォリオを組んで投資を行ってもらい、その対価として資産額の1%や2%を報酬とするビジネスモデルです。

たとえ回転売買を行ったとしても、それによる手数料は顧客には発生しません。
また、顧客の資産額が増加すれば、それに応じて金融機関側の報酬も増えることになるため、顧客と金融機関が同じ目線で向き合うことができます。

このモデルを参考にして、資産運用ビジネスを行っているFPも増えていますね。
過去に当勉強会でも、このテーマを扱いました。
 

このラップ口座が伸びているというニュースが出たときには、注意してみるべき点があります。

ラップ口座の資産額が増加したという報道があった時、その要因が、
・ラップ口座の契約者数が増加したのか
・景気が良くなったために、顧客の資産価値が増加したのか
という点を見極めるべきだからです。

景気が良くなって株価が上がり、ラップ口座の預かり資産額が増えたのであれば、ラップ口座の人気が高まったわけではありませんから。
どれだけの人が利用しているのかを分析するときに、この視点を欠かさないようにしましょう。

今回のラップ口座が伸びているという報道によると、ラップ口座の契約件数そのものが伸びているとのことでした。
ということは、証券会社の中でも、手数料ビジネスからフィービジネスに移行する動きが大きくなっているのかもしれませんね。

 
とはいえ、そのフィーが毎年資産の2%だと「割高だな〜」と個人的には思います。
信託報酬とは別に、毎年2%、資産から差し引かれていくわけですから・・・。

一方で、皆さんが資産運用アドバイスをする側であれば、このフィーの割合をいくらにするかも重要な視点ですよね。
皆さんのFP活動の対価となるわけですから。
1%にしても2%にしても、お客様がメリットと感じられるサービスに仕上げられているかどうかに、かかっていると言えるでしょう。

これは、FP試験では学べない視点です。
事業者としての視点で、考えなければいけませんね。
 

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■12/16(日) FP6分野の新制度&制度改正 徹底学習勉強会(FP1級・CFP試験対応)
税や社会保険などFP6分野にわたる制度改正を、広く深く学べる内容です。
時代に合った提案ができ、お客様に価値を提供できるFPを目指しましょう!

■12/20(木) 顧客のためのFPアドバイス研究 老後資金の取り崩し設計編
グループワークや相談シミュレーションの形式も採用し、皆さんで楽しく
議論しながら、老後生活に関するFP提案スキルを高められる内容です。


<FP資格取得の姉妹勉強会 ご案内>
■12/16(日) FP1級新制度&制度改正 徹底対策勉強会(CFP試験対応)
■12/22(土) FP技能士1級学科 頻出重要ポイント対策勉強会
■2019/1/13(日) FP2級 頻出重要ポイント&難問対策総仕上げ勉強会
■2019/1/19(土) FP3級 頻出重要ポイント(2級基礎)総仕上げ勉強会

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2018年07月11日

実績連動報酬のファンドマネージャーは、投資家と利害が一致するとは限らない

私たち国民の財産である年金を運用してくれるファンドマネージャーの、報酬に関する話題です。

先日、興味深い記事を見ました。

・GPIF、アクティブ運用で新報酬体系 実績連動強める
https://jp.reuters.com/article/gpif-idJPKBN1J70SY

運用益を上げたら、その分だけファンドマネージャーの報酬を高く設定するという実績連動型の報酬形態を採用するとのことです。
国民の年金資産が増えることで、ファンドマネージャーの報酬も高くなることから、一見すると国民利益に合致した、望ましい報酬体系のようにも思えます。

しかし、この体系だと、ファンドマネージャーにしてみればコールオプションがかかった状態、つまり「損は限定、利益は無限」という構図になっています。

というのも、運用益が上がったら報酬が上がるのは、だれしも想像できる通り。
しかし運用で損失をだしても、クビになったり報酬減額で済み、損失の補填までは責任を負いません。
これが、「損は限定、利益は無限」というコールオプションと同じ性質というわけです。

 
このような報酬環境の下では、とにかくリスクを取って収益が出る可能性に賭ける戦略に出るほうが、確率的にはファンドマネージャーの報酬が高くなります。
もし、実績連動型のファンドマネージャーが、自分の報酬を大きくするために、そんな運用を始めたとしたら・・・
我々の年金が、そんな思惑で運用されては困りますよね。

記事を読む限り、この思惑が働きそうな環境になっていくのではないかと、心配になります。

 
実績連動型を採用したなら、運用者より権限の強い人が、運用方法を監視したり定期的な評価を行いながら、国民目線で望ましい運用をしているかチェックをすることが必要だと思います。

ただ、このチェック体制を敷いてしまうと、運用の短期的な評価という概念が入ってしまうので、長期運用の評価の妨げにもなります。また、どっちがファンドマネージャーかわからなくなる、という見方も出てしまいます。

 
自分の財産を自分で運用するなら、こういう問題は起こりません。
公共の財産を運用するとなった時に出てくる、根深い問題です。

私たちの年金資産がどのような方針で運用されるのかは、国民目線&投資家目線でチェックすることが大切ですね。
 

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■7/26(木) ライフプランソフトを活用し、FP相談の質と満足度を高めよう

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■7/22(日) 受験前に役立つ情報満載!FP技能士3級2級合格ガイダンス会
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■7/29(日) FP1級新制度&制度改正事項 徹底対策勉強会

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2018年07月05日

証券会社のサービスで、積立投資はあるのに、定期取り崩しはない

前2回にわたって、資産を取り崩す老後生活の話題をお届けしました。
今回は、この話題の最終回としてお話を続けていきますね。

老後に年金だけでは生活費を捻出できない場合は、資産を少しずつ取り崩して生活していくことについて、これまで説明してきました。

資産を取り崩しながらも低リスクで運用したいというニーズもあります。
ところが、証券会社のサービスには、定期的に資産を取り崩して現金化するサービスが残念ながらありません。

これの逆で、定期的に証券口座にお金を入れる定期積立(積立投資)は多くの証券会社で取り入れられていますよね。
でも、老後のニーズである「定期取り崩し」はどの証券会社でも行っていません。
これを半ば実現してくれるのが、毎月分配型の投資信託ではありますが・・・。

定期取り崩しのサービスは、証券会社にとっては自社の口座からお金が流出することになります。
それを恐れて、このようなサービスとしては行えないという判断なのでしょう。
でも定期自動取り崩しのサービスには、ニーズがあると思います。

老後に向けて資産を形成し、それを取り崩しながら生活するという考え方を多くのFPの方がしていますよね。
それに共感する方も、それなりの数はいると思うのです。
もしかしたら、この資産の定期取り崩しサービスは、有料(月額300円とか)であっても利用者は増えるかもしれないと、個人的には考えているのですけれどね。

 
いずれにしても、老後に資産を取り崩して生活をしていくためには、老後の貯蓄額と毎月の生活費をしっかり計算の上で、ライフプランニングを立てて計画的に資産管理をしていくのが望ましいですよね。
これからはますます高齢者が増える世の中になりますから、資産の上手な形成と取り崩しのアドバイスが求められる時代になるでしょう。
 

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