2016年10月28日

将来の社会保障費の増大を見据えた、ファイナンシャルプランニング

みなさま、こんにちは。
FPスキル活用勉強会運営スタッフ(公式サイト管理人)の佐藤です。

最近のニュースで、社会保障費の増大に関するものがありました。

一つは、公的介護保険についてです。
40歳以上の会社員の方は、給与天引きで公的介護保険の保険料を負担しています。
この保険料を引き上げを検討していると報じられたことから、経済団体が「取りやすいところから取るな」と反発をしていました。

今後の日本は、高齢化がますます進行します。
今の介護保険の仕組みでは、介護保険を成り立たせるだけの財源を確保できないので、保険料徴収を強化するか、それとも保険給付のほうを削減するか、という議論になることは避けられません。
もしくは、この両方が同時に進められる可能性もあります。

介護は高齢化社会における重要なテーマです。
保険料の引き上げが決まったわけではないのですが、この議論は続いていくと思いますので、今後の動向にも注目していきたいと思っています。


次に、医療費に関する話題です。
高齢者の医療費が増大していることを受け、高齢者にも相応の負担を求めようという声が議員から上がりました。
負担の内容は、具体的には明言されていませんが、公的医療制度のほうも、やはり財源の問題をかかえています。

先に挙げた介護保険とも関連しますが、いまや日本の国家予算の3割を、これら社会保障費が占めています。
この金額が今後増えることは確実視されており、国として医療や介護の公的制度をどのように維持していくのかも大きな問題です。

国民のだれもが、今以上の負担を背負うことには抵抗があるでしょう。
しかし、負担を背負わずに社会保障を手厚くするばかりにもいかないです。
この難しい問題を、どのような方策で乗り切るのか、今後の制度の行方にも注目していきたいと思います。


さて、このような背景を考慮したときに、若い世代の方のファイナンシャルプランニングにおいて、少々悩ましい面があります。
多くのFP相談の現場では、若い人の相談において、社会保障制度は現行制度のままで変わらないことを前提にしていることでしょう。
例えば老後にもらえる年金は、現在の計算式に基づいて試算をしたり、また医療保険の見直しにおいては、医療費の3割負担を前提に考えているケースが多いでしょう。

しかし若い世代の方の中には、老後にもらえる年金は今以上に減り、天引きされる金額も増えるなど、社会制度が今より改悪されることを予感している人も増えています。
若い方から相談を受けたとき、FPである皆さんが今後の日本社会の変化をどうとらえ、家計診断やライフプランニングに織り込んでいるのかを問われる場面が、増えていくかもしれませんね。

社会制度が変わることが確定的に決まれば、新聞や雑誌などで大々的に報道されます。
しかしそれ以前の過程や議論については、小さく取り扱われていますが、今後の社会の変化を見据え、ファイナンシャルプランニングを考えるなら、ぜひ注目をしていただきたいと思います。

 

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posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 08:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 年金・社会保険

2016年10月20日

確定拠出年金の誤ったアドバイスに気を付けよう その2

みなさま、こんにちは。
FPスキル活用勉強会運営スタッフ(公式サイト管理人)の佐藤です。

2017年1月から確定拠出年金の制度改正もあり、確定拠出年金に一層の注目が集まっています。そのような背景から、確定拠出年金に関する雑誌記事、ネット記事も多くみられるようになりました。

その一方で、記述に誤りがあるなど、不適切な記事も見受けられるようになりました。
皆様が確定拠出年金のアドバイスをする際には、ぜひ適切な情報提供に努めていただきたいと思います。

前回に続き、今回も確定拠出年金に関する記事を題材にして、確定拠出年金のアドバイスで大切なポイントを見ていくことにしましょう。

 
まず、下記の記事をお読みください。
前回とは別の記事ですが、以下ではこの記事をすべて読んだという前提で、この記事対する補足をしていきます。

【個人型確定拠出年金へ伸ばす手に「待った!」】
http://manetatsu.com/2016/09/73433/

 
まずは、資産運用のリスクについての記述です。


・投資信託などで運用するのだから、資産が目減りするリスクがある。

しかしこれ、私は大したリスクだとは感じません。そもそもスルガ銀行のように元本保証商品(定期預金)も選べるし、分散型投信なら長期積立運用すれば安定的に資産が殖えるでしょう。

いわゆる価格変動リスクに関する記述ですが、価格変動リスクを軽視するのは、資産運用のアドバイスをする立場としてはNGです。
記事のように元本保証商品を選べば確かに元本は目減りしないでしょうが、それ以外の株式が組み込まれた商品などで運用すれば、最終的に資産が目減りする可能性は十分にあります。
また、「分散投資を長期で続ければ安定的に資産が殖える」とありますが、毎月資金を積み立てていくので資産が増えるのは当たり前です。
しかし分散投資をすれば安定的に増えるというのは正しい説明とは言えません。何かに一極集中させた場合と比べれば資産価格の変動度合いは小さくできる可能性がありますが(状況によっては逆に大きくなることもあり得ます)、小さくなるのは変動の度合いであって、資産が目減りするリスクがなくなるわけではありません。

この記事のような発言を、確定拠出年金の投資教育現場で行うことは、許されないことです。
この記事は著者が個人的に思っていることを単に述べたものであり、ファイナンシャルプランナーのアドバイスとしては不適切です。
少し小難しい理論の話もしましたが、資産が目減りすることを軽視する姿勢は望ましくないと思います。
皆様がアドバイスをするときは、投資の危険性についても丁寧に説明をしていただきと思います。


何より多少資産が下落したところで、先ほど触れた節税効果が相殺します。

節税効果を上回る資産の下落も十分ありえます。
それに、どれくらい節税効果があるかは、その方の所得額によりますので、「節税効果が相殺する」は必ずしも言えません。それを確定的に述べているところが不適切です。
この記事はある一点だけを強調していますので、みなさまは他の観点も考慮して、相手の立場に合う説明をすることも心がけてほしいと思います。

(節税額や手数料など)それらをすべて将来的なプラスマイナスまで計算して…、保険など他の運用法や住宅ローンの繰り上げ返済または借り換えと比較して…、最善のものを選ぶ…。なんて神様にしかできません。

この記事は「マネーの達人」というサイトですが、なんと神様が登場しました(笑)
著者が「神様にしかできない」と考えていることを、わかりやすく丁寧に説明するのが、「マネーの達人」であるFPの役割だと思うのですけれどね。

ただ、この記事の著者は、自らをファイナンシャルプランナーとは名乗っていません。
もしかしたら、FP資格を持っておらず、FPの6分野の勉強をしていない著者なのかもしれません。
記事を全体的に見渡しても、FP資格を持っていれば丁寧に説明するであろうところが、ことごとく不適切な説明になっています。

それに、記事の全体的な観点で、説明なく専門用語を多用している点もよくないと感じます。
一般の方が読んでも、内容を理解できません。
アドバイスをする方は、わかりやすい言いかえも含めて、読み手への気配りが必要ですね。

それに、この記事は論点が途中で飛んだり、本題でないことを冗談めいて書いたり、どうでもよい一言が添えられているなど、ライターとしての腕もどうかな・・・と感じました。
専門家らしさ、信頼感を損ねる雰囲気が出てしまっていて、残念です。

では、最後の指摘です。

そして最後に、私がもっともお得だと感じているふるさと納税が、この確定拠出年金によって制限されることにも触れておかねばなりません。

確定拠出年金は、毎月の拠出金の全額が所得控除されるため、その分所得が圧縮され、とばっちりを喰らってふるさと納税額可能額も圧縮されるのです。

さて、この内容、皆さんは理解できましたでしょうか?
実にいい加減な表現で、普通の方は著者が言いたいことを理解できないでしょう。

私が代わりに概要を説明します。
ふるさと納税は、ある一定の金額(所得と控除額に左右されるため、人によって大きく異なる)までの寄付であれば、自己負担額2000円でお得な返礼品をもらうことができるのが特徴です。
ただ、確定拠出年金によって所得控除を増やすと、このふるさと納税における「一定の金額」が減少するのです。
つまり、所得控除を多くしてしまうと、自己負担2000円でもらえる返礼品の量(金額)も減少してしまう、ということなのです。


2回にわたって確定拠出年金の記事を事例にとり、
・誤解のない説明をするにはどうしたらよいか
・説明すべき観点に漏れがないか
という点をお伝えしました。

世の中にあるお金の記事は、このような配慮不十分なものも多くあります。
様々なお金の知識を身に着けた方は、相手が正しい判断ができる、理解ができる説明を心掛けてほしいと思っています。
 

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2016年10月13日

前回の確定拠出年金の内容にも、皆様からのコメントをいただきました

みなさま、こんにちは。
FPスキル活用勉強会運営スタッフ(公式サイト管理人)の佐藤です。

前回の配信で、「確定拠出年金の誤ったアドバイスに気を付けよう その1」というタイトルで、確定拠出年金記事の問題点について指摘をしました。

今回も、皆様からいろいろなコメントをいただきました。
いただいたコメントに共通していたのは、記事に対する違和感や問題点を皆さん感じていたという点です。

せっかくコメントをいただくことができましたので、簡単ではありますが少しご紹介しようと思います。

前回の配信内容は、下記URLよりご覧いただけます。
http://blog.money-study.net/article/177164620.html


まず最初のご指摘は、一部のFPが必要以上にある1点を誇張表現したり、本来伝えるべき内容を曲解して一般の方に届けているのが問題、というものです。
今回指摘した記事でも、この傾向は顕著に表れていますし、FPが書く他の記事に多く見受けられると私も感じています。

一方で、相談者と向き合って課題を解決されている方の中には、物事の一面だけで判断せず、いろいろな見えない可能性まで考慮して、良し悪しを判断している人もいます。
一人一人、家計事情や家計の問題点は異なっているので、その個別性に注目することも大切です。
ですからこの発想は、お金の知識を持った多くの人に大切にしてほしいと思っていますし、毎回開催しているFPスキル活用勉強会の中でもお伝えをし、皆さんに模擬体験していただいている点でもあります。


次に、節税と利回りを混同して表現していることが問題、というご指摘もいただきました。
確かに問題として取り上げた記事は、節税した金額を投資のリターンと表現しており、そもそも正しい表現とは言えません。
指摘した記事は、あくまでも所得税率が20%の人なら、という条件付きの内容です。誰でも当てはまるわけではないので、例えば専業主婦の方が確定拠出年金を利用しても、この節税効果は得られないことになります。
このことからも、節税の仕組みと、投資のリターンは切り離されたものであることが分かりますが、記事中ではそこまで触れていませんでしたね。
著者が言いたいことは、わからなくもないですが、適切な情報提供をする立場のFPであるなら、こういう表現をすべきでない、というのもうなずけます。


最後のご紹介となりますが、問題とした記事のタイトルに「リスクゼロで〜」と表記されているものの、リスクとなる点に触れている、というご指摘です。
それが、確定拠出年金の資産に対する特別法人税(1.173%)です。

現在、この法人税は課税されていませんが、これが課税されるリスクについて記事中では軽く触れられています。
どうなるかわからない不確定要素を、投資の世界ではリスクと呼びます。この課税は、なされるかなされないかが不透明であるため、確定拠出年金制度のリスクである、という指摘です。
ごもっともな指摘ですね。特に若い世代の方が確定拠出年金をする場合、万一この課税が復活すれば、60歳まで引き出せないうえに60歳まで課税から逃れられない、ということにもなるわけです。

この見えざるリスクにどう向き合うか、この点はかなり大事なポイントだと個人的には感じます。


以上、皆様のご意見を簡単ではありますがご紹介させていただきました。
メールマガジンへのコメントはいつでも受け付けておりますし、有益な情報は皆様にもこのような形で情報提供もさせていただこうと思っています。
ご意見、コメントがありましたら、お気軽にメールマガジンに直接返信してくださいね。

皆様からのコメントも、楽しみの一つです(笑)
今後とも、よろしくお願いいたします。

 

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2016年10月07日

確定拠出年金の誤ったアドバイスに気を付けよう その1

みなさま、こんにちは。
FPスキル活用勉強会運営スタッフ(公式サイト管理人)の佐藤です。

2017年1月から確定拠出年金の制度改正もあり、確定拠出年金に一層の注目が集まっています。そのような背景から、確定拠出年金に関する雑誌記事、ネット記事も多くみられるようになりました。

その一方で、記述に誤りのある不適切な記事も見受けられるようになりました。
皆様が確定拠出年金のアドバイスをする際には、ぜひ適切な情報提供に努めていただきたいと思います。

今回から2回にわたり、確定拠出年金に関する記事を題材にして、確定拠出年金のアドバイスで大切なポイントを見ていくことにしましょう。

 
まず、下記の記事をお読みください。
以下では、この記事をすべて読んだという前提で、この記事対する補足をしていきます。

【リスクゼロで年率30%運用も 個人型DCは利用しないと損】
http://manetatsu.com/2016/09/73791/

 

タイトルから、投資詐欺かのような怪しさが漂っていますね(笑)
メディアという性質上、閲覧数を高める必要があるため、このようなタイトル付けになっているのだと思いますが・・・

まず、この記事中における、節税効果の記述について指摘します。
上記記事中に、次のような一文があります。(一部、中略しています)


税制上、個人型DCの掛金は小規模企業共済等掛金控除に当たり、全額が所得控除の対象となる。
会社員が個人型DCに加入する場合は、最大で月額2万3,000円を掛け金として積み立てられるため、年収が500〜600万円であれば、所得税は5万5,200円(2万3,000円×12か月×所得税率20%)、住民税も2万7,600円(2万3,000円×12か月×住民税率10%)減少し、合計8万2,800円の節税効果を得られる。



さて、ここで述べられている節税効果ですが、実際より過大に見積もられています。
現実以上に得であるかのように読者を錯覚させている点が、問題です。
みなさんは、この誤りを見破れましたでしょうか?

 
年収が500万円に限らず600万円の会社員の方も、実際の所得税率は10%が適用されます。20%ではありません。

では実際に、年収600万円の人のケースで、所得税額の差を見てみましょう。FP試験の3級でもあった計算をしていきますが、お付き合いくださいね。

 
年収600万円の人が、確定拠出年金をしなかった場合、「所得の額」は次の通りです。

収入600万円−給与所得控除174万円−社会保険料控除90万円−基礎控除38万円=298万円
※社会保険料控除は、年収の15%と見積もっています。実際、健康保険料と厚生年金保険料だけで約14%あり、これに雇用保険料と、40歳以上の方は介護保険料の支払いもあるので、社会保険料控除の額は14%を超えます。

これ以外に所得控除はないものとすれば、この298万円という所得に、所得税がかかります。その所得税額は、次の通りです。

298万×10%−9万7500=20万0500円
※所得が330万円以下の方は、税率10%です。

年収600万円の会社員は、税率は10%になりますね。
FP3級の勉強をした人であれば、ここまでのことはわかると思います。

 
さて、この人がさらに記事のとおり、月額23000円の確定拠出年金をした場合の所得税額を計算してみましょう。

確定拠出年金による小規模企業共済等掛金控除の額は、 2万3,000円×12か月=27万6000円 です。
したがって、所得の額は次の通りです。

収入600万円−給与所得控除174万円−社会保険料控除90万円−基礎控除38万円−小規模企業共済等掛金控除27万6000円=270万4000円

これをもとに所得税額を計算してみると、次の通りです。
270万4000×10%−9万7500=17万2900円

 
以上の結果から、
・確定拠出年金をする前の所得税額:20万0500円
・確定拠出年金をした後の所得税額:17万2900円
となりますので、節税できた金額は、この所得税の差を求めて、
20万0500円−17万2900円=2万7600円
となります。

この説税額は、「2万3,000円×12か月×所得税率10%=2万7600円」と一致します。
しかし記事中では、「2万3,000円×12か月×所得税率20%=5万5200円」と、実際の2倍もの節税があると説明しており、誤りといえます。

おそらく著者は、所得の金額と収入金額との違いを正しく理解できていなかったものと思います。
(所得が500万〜600万円であれば、確かに税率は20%となります)

 
住民税の節税額は記事のとおりですが、このように節税額を誤って書いているFPの記事は、結構見受けられるものです。
真面目に税額を計算すれば、このような誤りをすることはありません。
FPの資格を取る過程で、せっかく計算式を体得したのですから、記事を書く方はそれをぜひ活用していただいたうえで、わかりやすく正しい情報提供に努めていただきたいと思います。

 
皆様が確定拠出年金での節税についてアドバイスをするとき、このような詳細な計算式を提示しづらい場合もあるでしょう。相手に計算式の知識があればよいですが、そうでなければ、わかりやすく言い換えた説明のほうが効果的です。

例えば、上記でお伝えしたような計算を自分でやってみて、
・年収400万円の人なら、最終的な所得税率はおよそ●%
・年収800万円の人なら、最終的な所得税率はおよそ●%
・他に所得控除があれば、最終的な所得税率はさらに下がる場合もある
というような情報を持っておくのも、一つの方法ですね。

ただし、相手から具体的に情報を聞き出して税額を計算するのは、本来は税理士の免許が必要な業務となりますので、この点はご注意ください。

長くなりましたが、本日は確定拠出年金の節税アドバイスについてのポイントをお伝えしました。
次回も、確定拠出年金の内容をお届けしますので、お楽しみに。

 

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2016年08月27日

保険証を忘れて治療すると、医者にぼったくられることがある

みなさま、こんにちは。
FPスキル活用勉強会運営スタッフ(公式サイト管理人)の佐藤です。

お盆休みも終わりましたね。皆様ゆっくりとお盆の時期を過ごせましたでしょうか。
私は、お盆休みなどなく、いつもと同じお仕事三昧の平日でございました・・・

さて、本日のタイトルはなかなか過激ですね。医者がぼったくるなんて(笑)
こう書いた理由は、最後までお読みいただけるとわかります。

 
「医療費は3割が自己負担である」と、FPの皆様は学んでこられたことでしょう。
厳密には、患者の年齢などによって1割〜3割の負担割合となりますが、以下では単に「3割負担」と表記することとします。

3割負担となるのは、保険証を窓口で提示した場合に限られます。
万一、保険証を忘れて受診した場合は、10割負担となるわけですが、実は少しややこしい仕組みがあります。
その仕組みの解説の前に、まずは医療制度そのものについて、簡単にご説明します。

 
保険証を提示して3割の自己負担で済むのは、それが「保険診療」だからです。
保険診療とは、治療に対する費用を、国が点数として定めているものです。病院でもらう領収書にも、点数が書かれていますよね。保険診療を受けるにあたっては、保険証を提示することが条件となります。
保険診療は、どの病院で受診しても同じ点数、同じ医療費となります。医者が勝手に金額を変更することは許されていません。
どの病院でも安心して3割の金額で受診できるのも、保険証があってのことなのです。

一方、「自由診療」と呼ばれるものもあります。
これは、いわゆる保険がきかない、患者がその費用全額を支払う医療行為のことです。インフルエンザの予防接種は、この自由診療の一種です。こちらは、医者が自由に料金を決めることができます。
インフルエンザの予防接種の料金が病院によって異なるのは、自由診療ということで、各病院が価格を決めているからです。

 
さて、いよいよ本題の、保険証を忘れた場合のお話に入ります。
保険証を忘れた場合、保険診療は適用されず、自由診療となってしまいます。すなわち患者は10割負担です。
ただし患者は、保険証を忘れた場合であっても、会社員なら協会けんぽや保険組合、自営業者なら市役所などで手続きをすることで、10割のうちの7割を給付してもらえます。
(病院で精算してもらえる場合もあります)
結果として、3割負担にすることができます。

しかし、必ずしも3割負担とはならないことがあります。
というのも、自由診療となった場合には、医者は医療費を自由に決めることができるのです。
したがって、保険診療の場合と同じ治療や診察を行う場合でも、保険診療の場合以上の料金を設定することができるのです。

後で手続きすれば7割給付されると書きましたが、それはあくまでも保険診療の点数換算による金額です。
したがって、保険診療の場合以上の価格を医者が設定し、それを患者が支払ってしまった場合は、その増額分は給付してもらえません。払い損となってしまうのです。

 
保険証を忘れても、たいていの医者は保険診療と同じ金額で医療費を計算しますので、その場合は結果として、3割負担で済みます。
しかし、これは義務ではないため、保険証を忘れた人に対して、保険診療の時以上の金額を設定することは医者は自由にできます。こうなると、実質的に患者が負担する金額は3割を超えてしまい、見方によっては「ぼったくられた!」ということになるのです。

 
このことは、保険証を忘れたときの手続きのページにも、注意書きとして書かれています。
とはいえ、こういったページを見て医療制度を理解している国民はごく少数だと思いますが・・・。
不必要に医療費を支払うことがないようにするためにも、医者にかかるときは必ず保険証を持参することが重要ですね。

 
・医療費は3割負担で済む
・高額療養費制度の恩恵を受けられる
・だから、医療保険に入る必要はない

と、FPが説明する場面を多く見かけます。しかしその前提は、国の医療保険制度に加入の上、保険証をきちんと提示して医療を受けた場合です。

この前提は当たり前すぎるので、説明をしないケースもあるでしょう。
ですが、国の健康保険制度に加入して保険料を納めることは重要ですし(特に自営業者のご家族など)、保険証をなくさない、また必要な時に保険証をすぐ取り出せるよう管理することも重要です。

こういうところにもFPは気を配り、将来の医療費を含めたライフプランや保険の見直しにも当たってほしいと思います。

 
最後に・・・
タイトルに「ぼったくり」なんて書いてしまいましたが、医者側もこの制度を悪用(?)してぼったくりをしないように、お願いをしたいと思っています。

 

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■ 今後の勉強会の開催予定
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●2016/9/22(木・祝) 第5回 老後に向けて、賃貸と持家どちらを勧めるか

グループワークなどを取り入れ、明日から役立つ実践的な学びを得ることを
モットーに開催しています。
参加者同士で楽しく学ぶ、和やかで活気ある雰囲気も特長です。

・FP6分野の知識を、より実践的に活用していく知識・体験を得たい
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