2018年07月03日

「定率引き出し」は、FPの提案としては適切ではない、という考え方

前回に続いて今回も、資産を取り崩す老後生活の話題にします。
前回は、下記の記事をご紹介しましたが、今回はこの記事で触れられている「定率引き出し」について考えます。

退職後は運用しつつ引き出す 「タコ足投信」悪くない
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO31648350S8A610C1000000

この記事の2ページ目後半から3ページ目にかけて、資産額の2%とか4%とかを引き出して老後生活を送ることについて書かれています。

この記事では、資産額の一定割合を引き出すことで、資産を長持ちさせる効果があると述べられています。
なぜそうなるのかについて記述がないのですが、ドルコスト平均法と同じ考えに基づく考え方であり、相場が上下変動する前提においては、定額で引き出す場合に比べて定率で引き出したほうが、資産の額を維持し続ける効果があります。
(詳細は割愛しますが、一定の条件下で比較すればそういう結論が導かれると、ひとまずこの場ではとらえてください)

 
この話を聞いて、定率引き出しという手法に魅力を感じる方もいらっしゃいます。FPの方でも、この話に感動される方もいらっしゃいますね。
ですが、これは定率引き出しの一面だけを見ての判断です。実はライフプランニングを考える場面では、定率引き出しには致命的なデメリットがあります。

そのデメリットとは、事前に支出額が確定できない(支出の計画を立てられない)、相場の状況によって使える金額を変えなければならない、ということです。

将来のお金の使い方を考える場合、一般的には支出額を予定し(予算を決める)、その枠内に収まるように支出計画を立てて日々を過ごします。
FPが家計診断をするときには、王道の方法ですよね。
しかし定率引き出しだと、相場環境が悪くなったら取り崩し額を抑えなければならないので、場合によっては「いつもの食事を我慢する」「定期的な通院を我慢する」などしなければならなくなってしまいます。

こんな暮らし方を、世間の人が望むとは考えられないです。
たとえ、資産額の減少を減らしたい、というニーズがあったとしてもです。
ある意味無計画な暮らし方を要求する方法論ですから、これをFPが責任をもってサポートする内容としては不適当だと感じます。

 
関連して、そもそもの話になりますが、相場環境によって以後の老後資産の取り崩しに影響が出る(老後生活が危機に陥る)可能性があるならば、そのお金はリスク商品に投じてはいけません。
FPとしてお金を切り口に人生のサポートをするならば、運用しない選択肢も提案できなければなりません。

 
老後の資産取り崩しがテーマの話題ではありますが、紹介した記事に定率引き出しについて書かれていたので、この点についてフォローが必要と思い、今回の話題をお送りしました。

次回はこのシリーズの最終回として、資産を取り崩したい生活者に対して、証券会社側のサービスが不十分な点について、書いてみたいと思います。
 

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posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ライフプラン・家計
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