2017年05月12日

お店でもらった500万円相当のポイントには、どのように課税される? その3

とある本屋さんで、500万円相当のポイントがもらえるキャンペーンをやっています。
https://honto.jp/cp/hybrid/campaign/dokusho-entry.html

もし万が一当選したら、いったいどのような課税がなされるのでしょうか?
という点に踏み込んで解説をしています。
若干、頭の体操のような内容になりますが、実務上の高度な税金感覚を養うには適した教材になりますので、お付き合いくださいね。

 
前回までは、一時所得となるポイントについてお伝えしていました、
今回は、まず、一時所得にはならないポイントについて説明します。

個人事業主が事業取引の過程で得たポイントは、法人からの贈与ではなく事業上発生した利益と考えるため、事業所得となります。
獲得したポイントを資産計上し、ポイント利用時に事業収入という形で経理処理をするのが正しい経理処理とされています。
このように解説した記事も多くありますね。

これとは別で、事業者でない一個人が、質問やアンケートの対価としてポイントを得た場合は、雑所得となります。
「アンケートに答えていただいた方全員に100ポイントプレゼント」とか「会員登録時に100ポイントプレゼント」等のケースです。
なにかと引き換えにポイントを得ると、そこには「取引上の対価性」があるとみなされます。その場合は、雑所得に該当するのです。
買い物と同時に付与されるポイントは、このシリーズの初回でご説明したように一時所得となりますが、それとは異なるというわけです。

 
以上のように、ポイントといっても所得の種類が異なるので、ちょっと複雑ですね。
それでは、ここまでの話をもとに、いよいよ本題の答えへと参りましょう。

とある本屋さんで、500万円相当のポイントがもらえるキャンペーンをやっています。
https://honto.jp/cp/hybrid/campaign/dokusho-entry.html

このポイントを利用したときには、どのような課税がなされるのでしょうか?
ここまでの話を踏まえれば、以下が答えとなります。

・買い物をしたときに発行されたポイントを使うなら、一時所得
・事業取引の際に発行されたポイントを使うなら、事業所得
・アンケート回答などの対価として発行されたポイントを使うなら、雑所得

 
ここで、重大な問題が生じていることがわかるでしょう。

使用したポイントは、上記のどの方法で取得したものであるのかは管理されておらず、どの所得になるかは、もはやわからなくなっているのです。
買い物を繰り返し、またアンケート回答も繰り返している人なら、なおさらですよね。
所得をいまさら区別することは、できなくなってしまっているのです。

 
以上の話から、500万円相当のポイントに対する課税は「どう処理してよいかわからない」が現実的な答えとなるのです。

こういう背景があることをわかっているからか、冒頭で紹介した500万円相当のポイントキャンペーンのページには、次の一文が掲載されています。

「確定申告等手続きの必要有無および内容、方法等については、hontoお客様センターへお問い合わせいただいても回答致しかねますので、予めご了承ください。」

全ては当選した人が適切に責任をもって処理をせよ、われわれは一切関知しない、と解釈できます。

「お近くの税務署、税理士にお問い合わせください」とも書いていません。
税理士に問い合わせても、明確な答えは得られないでしょうし、税務署に問い合わせでもしたら、ポイントに対する課税問題がクローズアップされる可能性もあります。
(もしかしたら、そうなるのが嫌だからあえて書かなかったのかな?)

しかもこの500万円分のポイントは、さらに厄介なことに、当選者が最大で5人まで、別の人にプレゼントもできるという制度になっています。
個人から個人に渡した300万円相当のポイントは、双方にとってどう課税されるのでしょうか。
話がさらに広がります(笑)

 
3回にわたって、ポイントに対する課税についてお伝えしてきました。
FPの試験勉強の際にも、さまざまな税について勉強されたと思います。
でも、税の世界は奥が深く、税に関する法律をもってしてもうまく処理しきれない事例はたくさんあります。

税に対する解釈の違いから、納税者と国との間で、税についての訴訟に発展することもあります。
私は、税務訴訟の話題には強い関心があって、そういう事例を見聞きします。
節税と脱税との境界線があいまいだったり、課税の対象となる/ならないの解釈が、納税者と国との間で異なることから、問題が顕在化するわけです。

お金に強い人材になるためにも、こういった税の感覚を持っていることは大切だと思っています。
今回は身近なポイントを題材にしましたが、こういった事例からも、税に関する感覚を養う機会にしていただければ幸いです。

 

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■ 今後の勉強会の開催予定
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●6/3(土) 家計シミュレーションソフトで家計分析・家計改善をやってみよう
無料で誰でも使える家計シミュレーションソフトで、家計分析や家計改善の
方法について学びます(当勉強会の運営スタッフが開発したソフトです)

●6/3(土) ライフプランソフトを使いこなし、FPの総合力を発揮する勉強会
ライフプランソフトの高度な機能も使いこなし、より相談顧客に適した
FPコンサルティングを行うための具体的ノウハウを学びます。

●5/13(土) FP2級 頻出重要ポイント&難問対策勉強会
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posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 06:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 税金
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