2017年01月25日

フィンテックに取って代わられないFPとは(後編)

みなさま、こんにちは。
FPスキル活用勉強会運営スタッフ(公式サイト管理人)の佐藤です。

本日は、前回に続き、フィンテックの話題をお送りします。
前回は、次の内容についてお伝えしました。
・フィンテック(Fintech / FinanceとTechnologyの合成造語)とは何か
・フィンテックに関する事例(ロボアドバイザーと、住宅ローンに関するサービス)
・FPが考える、フィンテックに対するFPの優位性
・「FPはフィンテックによって置き換われるのではないか」という考えについて

前回の内容は、下記URLからお読みいただくこともできます。
http://blog.money-study.net/article/178452542.html


さて、本日は「FPが考える、フィンテックに対するFPの優位性」について、さらに考察してみたいと思います。
前回の内容から引用しますが、「FPが考える、フィンテックに対するFPの優位性」は次のようなものでした。

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例えばロボアドバイザーに対するFPの優位性の例として、次の点が挙げられています。
・ロボアドバイザーは10程度の質問しかしないが、FPはもっと多角的な観点で投資家の分析と提案ができる。
・投資家が抱える問題点をヒアリングによって明らかにし、その問題を個別に解消できる
・ライフプランニングを考慮したうえで、今だけでなく将来に大切な投資の考え方を伝えることができる

住宅購入においては、次のようなFPの優位性が挙げられています。
・住宅購入に失敗した事例とを突き合わせ、様々な角度から住宅購入における問題点を分析できる
・住宅ローン以外に、保険や老後資金を含めたトータルアドバイスを行うことができる
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以上の観点は、確かに現状のフィンテックサービスでは実現できていないことですし、FPの方々が大切に考え、質の高いサービスを提供するために説明されている内容でもあります。
しかし、この理屈には次のような問題点があります。


まず1つ目の問題点は、上記のFPの言い分は、一般個人からすれば過剰サービスに見えるという点です。
確かにFPの方と話をしながら進めれば、上記のようなメリットがあるかもしれませんが、通常、お客さんはそこまで見えていませんし、望んでもいません。
例えば、顧客は住宅ローンのことが気になっているのに、保険や老後のことまでコンサルティングします!と言われても、過剰なサービスに見えるので「不要」と判断されてしまいます。
それよりも、手軽にスマートフォンで自分に適するとされるポートフォリオや住宅ローンプランが提示され、それに納得できれば、顧客が抱える不安や疑問は解消してしまうのです。

この手軽さは、ビジネス活動を行う人間にとっては脅威と言えます。
FPに限った話ではありません。

例えば食べ物を例にとって説明しますが、皆さんが日々食べているものは、料理の専門家が精魂込めて作ったものというよりは、機械化された工程の中で作られたものであろうと思います。
また、わざわざお店に出向かず、インターネットショッピングで済ませることもあるでしょう。

このように、手軽にそこそこのレベルのものが手に入る世の中においては、わざわざ専門家のところへ行きたい、自分から足を運んでまで欲しい、という思いは小さくなってしまうのです。
ロボアドバイザーやスマホでのローン借り換えサービスは、このような消費者ニーズをくみ取って展開したサービスともいえます。

FPから見れば、こういったフィンテックサービスは低品質なもの、本質をとらえていないもの、という風に考えるかもしれません。
そう思えるのは、専門的な知識を身につけたからこそです。
消費者は、そのような視点で考えていないのです。
「スマホアプリを超えるハイグレードのサービスが世の中に求められている」と頭から考えていると、IT化の波にのまれてしまうかもしれません。

 
さて、2つ目の問題点を指摘します。

上記のFPの観点は、フィンテックサービスが今のまま発展しないということを前提にしています。
だからこそ、フィンテックサービスとFPが行っているサービスとの差に注目し、そこを優位性をとらえています。
しかし、その差はいずれ埋まるでしょう。

その差は、フィンテック業者も認識はしています。フィンテック業者がより優れたサービスを提供するため、さらにはフィンテック業者間での競争の中で、その差は埋まっていくものと思います。
人間ならではと考えていることであっても、今話題の人工知能や言語処理プログラムを応用することでコンピュータでも実現できることは多くあります。

人が、コンピュータと同じ作業、同じサービスを提供すると、どうしてもコストは高く、消費者がサービスを受け終えるまでの時間もかかってしまいます。
コンピュータと競合するサービスに携わるなら、コンピュータができない差の部分に注目することは大切です。しかしその差は時間とともに埋まってしまうので、人間事業者はその差を広げる、つまりより付加価値の高いサービスを提供していくことも大切です。
しかし先に述べたとおり、消費者からみて欲しいと思えない過剰サービスになってしまっていないかは、よく検討しなければなりません。


私は長年金融業界を対象にしたITビジネスに身を置いていて、その中で、FP業界の動きも見ています。
私が数年前から思っていることですが、企業系FP・独立系FPを問わず、FPの方がしている作業や提供サービスのうち、ざっくり90%くらいはコンピュータに代行させることができます。どうすればできるか、その方法もおおよそ確立されています。
幸いにも、まだそのようなサービスが浸透していない、そのようなサービスを提供する業者が登場していないだけ、ともいえますが、フィンテックの普及により少しずつ実現されているのが現状です。


今回も文章が長くなってしまいましたが、FPの方があまり認識していないけれども、フィンテック業界で認識されている内容を、お届けしました。

これを読んで、皆様もいろいろ考えられることがあるかもしれません。
私が上記で述べた内容を超えるFPサービスを、やはり実現できると考えている方もいらっしゃるかもしれません。
私自身はIT業界の立場から、フィンテックに取って代わられないFPの姿を考えているところです。


2/12(日)に開催する「フィンテックがFPのビジネス・FPの存在をどう変えるのか」の勉強会では、フィンテックを切り口にして、
・消費者に求められるFPサービスは何か
・FPは、フィンテックとどのように関わっていけばよいか
・FPの仕事は、フィンテック技術に取って代わられてしまうのか
という点について皆様と語り合い、一つの答えを出してみたいと思っています。
私のほうからは、ここで語り切れなかった話題もたくさん提供をしますし、この記事で触れた2つの問題点をどのように解決するかについても触れていく予定です。


今FPとして活動中の方、FPとして今後活動してみたい方など、このテーマに興味関心をお持ちの方、どなたでもご参加いただけます。

勉強会の詳細と、参加申し込みは、下記のご案内よりお願いいたします。
皆様のお越しを、お待ちしています。

 

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■ 今後の勉強会の開催予定
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●2/12(日) フィンテックがFPのビジネス・FPの存在をどう変えるのか
 こちらは、姉妹サイト「ハイレベルFP勉強会」での開催です

●2/12(日) 住宅購入における家計分析・家計シミュレーション方法を学ぼう
 こちらは、姉妹サイト「ライフプランソフト活用勉強会」での開催です

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
http://money-study.net/life-plan/session/
※パソコン・スマートフォン両対応のサイトです。

posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 07:58| Comment(0) | TrackBack(0) | FPスキルアップ・FPビジネス
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