2018年06月30日

毎月分配型投信は、資産を取り崩す老後生活にマッチする、という考え方

分配金を出す投資信託は、投資の効率性が悪いから買うべきではない、と主張する人も多いでよね。
一方で、毎月分配型投信は老後生活にマッチする一面があり、私はその観点でお話をすることがあります。

老後にもらえる毎月の年金だけでは生活が難しいときに、資産を取り崩しながら生活することになります。投信の分配金がその取り崩し機能を担ってくれるのであれば、それは合理的なことだと思っています。

 
これに関する記事が最近出ましたので、参考にご覧ください。
以下では、こちらの記事をお読みいただいた前提で、話題を続けていきます。

退職後は運用しつつ引き出す 「タコ足投信」悪くない
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO31648350S8A610C1000000

 
この記事にもあるように、資産を形成する若い世代は分配金はないほうがよく、資産を取り崩す世代は分配金にも有用な役割があることが分かります。

FPが書く記事の中に、毎月分配型投信は何一ついいところがないから買うべきでないと主張するものもあります。
投資信託を単に資産を形成するためだけのツールと考えるなら、確かに分配金はないほうが合理的でしょう。
金融商品というくくりだけで物事を考えるなら、その考え方もアリでしょう。

しかし、100万人の人がいれば、100万通りの人生設計があります。
それぞれの人生設計に目を向けると、資産を形成することに重点を置くべき人もいれば、資産を取り崩すことを前提に暮らしを立てていく人もいます。多くの方の家計に向き合うほどに、さまざまな資産のニーズ・悩みが見えてきます。そのニーズや悩みを解消するために、毎月分配型が合理的となる場面もあるものです。

 
とはいえ、毎月分配型は、毎月一定額が分配金として払い戻されることが保証されているものではありません。
分配金が支払われないこともあるでしょうし、分配金が月によって増減することもあり得ます。
分配金が少ないと、手元の流動性資金が不足することにもなるので、その場合は面倒でも投資商品を解約するなどの作業が発生する場合があります。
安定した分配金を期待している人に対しては、丁寧に伝えるべき注意点になりますね。

 
このように、一人一人の人生設計・ライフプランニングに照らし合わせて、金融商品の提案ができる人こそが「ファイナンシャルプランナー」ではないでしょうか。
金融商品の特性だけを論じるなら、「金融商品評論家」という肩書のほうが適していると感じます。

これをお読みの方の中には、いろいろな人たちのお金の課題解決に向き合っている方もいらっしゃるでしょうし、これからそういう立場で活躍していきたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。
その場合には、人生設計と金融商品のマッチングによるプランニングも意識していただき、課題解決の質向上に努めていただければと思います。

 
次回は、上記でご紹介した記事に関連した話題を、引き続きお届けしたいと思います。
この記事で、ちょっと気になる(あまり望ましいとは言えない)内容もありましたので、それにも触れていく予定です。
 

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  今後の勉強会の開催予定
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■7/26(木) ライフプランソフトを活用し、FP相談の質と満足度を高めよう

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2018年06月27日

資産運用の間違ったリスクの説明を見て思う、リスクを伝える大切さと難しさ

今日は資産運用に関する、ちょっと深いお話です。

 
資産運用ビジネスを展開しているGAIAの記事で、リスクとリターンの説明がなされていました。
この記事の中でグラフが2つあって、「期待リターンと期待リスク」というグラフのほうです。
https://private-fp.online/shisanunyou-keisei/2848

このグラフでリターンの説明は、まあ、あっています。
でも、リスクの説明が本来の意味と異なって説明されています。
この記事では「期待リスク=短期的な変動幅」と書いていますが、これは誤りです。

まず1つ目のちっちゃい誤りは「期待リスク」という言い回し。
「期待リターン」という言葉はあるものの「期待リスク」と言うことは通常はありません。普通に「リスク」といいます。
(期待という言葉は、リターンや収益率に対して使うのが通常)

 
で、今回指摘したい誤りは、リスクの本質的な説明です。
「短期的な変動幅=リスク」なる説明は、一般の人に投資の危険性のようなものを説明するときにはいいのかもしれませんが、ポートフォリオ理論におけるリスクの説明にはなっていません。

ポートフォリオ理論におけるリスクとは、数学的に計算したリターンの標準偏差です。
リターンの標準偏差をわかりやすく意訳すると、「リターンが平均からどれだけずれるか、その予測しづらさを数値化したもの」です。

リスクとは、リターンのブレ幅のことではなく、もちろん価格のブレ幅のことでもありません。
リスクは、予測しづらさ、わからなさを数値化したものです。
リスクは、量や大きさを表現したものではないのです。

これが正しい定義ですが、「予測しづらさを数値で表す」ことは人間の直感ではできないことなので、一般の人に説明しても、理解してもらえることはほとんどありません。。。
なので証券会社のサイトを含め、ほとんどは価格の値動き幅をリスクと称して説明しています。
(プロが、プロでなくなったのを見るような違和感を感じますが。。。)

 
この誤った説明のもとでは、いろいろな矛盾も出てきます。
例えばこのGAIAのグラフは、そもそも「かなりローリスク・ミドルリターン」的なことを視聴者に伝えるグラフになってしまっています。もはやリスクの説明にはなっていなくて、低リスクを強調しているグラフです。

なぜなら、このグラフは価格の上がり下がりが周期的に表現されています。しかも、値動き幅もほぼ固定化されています。
短期的な価格の変動幅が、たとえ大きかろうが(GAIAの説明ではハイリスク)小さかろうが(GAIAの説明ではローリスク)、価格の動きを予測できれば、リスクの数値が意味する「予測しづらさ」はゼロに近い。
なのでこのグラフは「かなりローリスク」と、定義に沿うと表現できるわけです。

また、このグラフの値動きのもとでは、ポートフォリオ理論など「存在価値なし」です。
なぜなら、どのあたりが安値で、どのあたりが高値かが読めるので、ポートフォリオ理論を用いるまでもなく期待リターンを超えるリターンをゲットできますから(笑)

 
このGAIAの記事に限ったことではないのですが、いろいろな人のリスクの説明を見るたびに「正しく伝えられていない」ことへの違和感を、実は感じています。
ただ、リスクを定義通りに正しく説明することが顧客のためになるのかというと、そうでもないのです。

証券アドバイザーとして、ポートフォリオ理論のリスクをわかっているかどうかってことも大事ですが、投資のリスク(これは標準偏差のことじゃない)をお客様に伝えることも大事です。
実務上は、こっちのほうが大事。

投資に関して、アドバイザーの認識と顧客の認識が異なることは、よくあることです。
場合によっては、投資で損をした人が「間違った説明で損害を与えた」と主張し、クレームに発展することもあるのですから。
(取引時にニコニコ感謝してくれる客があとでクレームを言うなんて、その時は想像できないのですけれどね)

 
ちょっと長々と書きましたが、リスクの説明を見るたびに、こんなことが頭をよぎっております。
正しい投資アドバイスとは何か、これはいつになっても答えが出ない「永遠のテーマ」なのかもしれません。
 

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2018年06月26日

FP相談やってみよう、お金の新制度&制度改正、の2つの勉強会を開催しました!

先日6/23(土)に、FPスキル実践活用勉強会にて、下記の2つの勉強会を開催しました。
・FP相談やってみよう:価値観が違う夫婦の不安を解決するライフプランニング編
・FPなら知っておくべきお金の新制度&制度改正 勉強会

 
「FP相談やってみよう:価値観が違う夫婦の不安を解決するライフプランニング編」では、用意した相談事例に対して、どのようなアドバイスをしていくべきかを、個人ワークとグループワークで考えていきました。

将来へのお金の不安に対してどのようなアドバイスをするかという点と、夫婦の価値観の違いをどのように調整して家族の絆を固めていくか、という2点について考えていただきました。
周りの方が優れた提案を考えていてそれが参考になったという方や、自分の体験談を踏まえて意見を述べられる方もいましたね。


「FPなら知っておくべきお金の新制度&制度改正 勉強会」では、FP6分野に関する新制度や法改正事項をクイズ形式で出題し、答え合わせをしながら改正点について学ぶ内容でした。
社会保険制度に関すること、所得税や相続税、不動産取引に関することなど、知らないことも多くてちょっと勉強疲れが出てしまった方もいらっしゃいましたね。
ちなみに全部で38問用意しましたが、今回の全参加者の平均点は、満点は38点中の13.7点でした。(満点の36%)

改正内容を知ることは比較的簡単にできます。
しかし、改正事項を正しく伝える・説明するためには、内容を詳細まで理解し、暗記する必要がありますね。特にセミナー講師をしたり、お客様に説明する場面では、このスキルが求められます。
どこを参照すれば最新の内容を得られるかという情報源のお話もありましたので、それも参考にしながら、お金の制度の理解を深めていただければと思います。

 
勉強会終了後、少人数でしたが懇親会も開催しました。
いろいろな話題で盛り上がりましたが、以下のような話題が出ていました。

子育て体験談とこれからの子育て戦略、昔と今の常識の違い、相続した土地をどう活用するか、農林水産事業に関すること、仲介業者を使った集客効率と支払う仲介マージンのバランス、これからの働き方・収入変化の乗り切り方、各自どんな資産運用をしているか、焼酎を好きな飲み物で割るのは楽しい、などなど。

いつも和やかにお金の話をしている懇親会です。ご都合つかず参加できなかった方も、今後の懇親会にぜひ参加してみてくださいね。

 
次回は7/26(木)に、FP業務をITでサポートするライフプランソフトに関する勉強会となります。
参加申し込み受付中ですので、また皆様とお会いできるのを楽しみにしています!

 
【今後の勉強会のご案内について】
勉強会の開催案内は、下記メールマガジンとfacebookでご案内いたします。
いち早く開催日を知りたい場合は、こちらにご登録をお願いいたします。

メールマガジン(無料):
 https://money-study.net/life-plan/info/mail-magazine.htm
facebookページ:
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 ※いいねを押すと、皆様の画面に案内が表示されるようになります。
 

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2018年06月23日

建物の耐震性は気になるけど、直感的にはなかなか分からない

全国各地で、ビルやマンションの耐震性向上工事を行ったり、耐震性が不足する施設を建て替える動きが最近多いなあ、と感じています。

当勉強会でも使用していた施設が、現在は耐震工事の真っ最中で利用できなくなっています。
FP協会で行われているSGという勉強会でも、耐震工事の影響で別会場を確保せざるを得ないというのも見ています。
ニュースでは、大型商業施設やホテルが耐震工事のため、休業を余儀なくされるという報道も見かけます。
私の自宅の近くでもそうですし、実家がある京都府でも公共の施設が耐震工事を行ったり、立て替え工事をしています。

10年前のかすかな記憶と比較すると、耐震工事を行っている箇所が増えているように感じます。

 
調べごとをしている最中に知ったのですが、しばらく前に全国的に耐震性診断が行われて、その結果が各都道府県から公表されていたのですね。
すべての建物が対象になっていたわけではありませんが、延べ床面積が1万平米以上の規模の建物や、主要な公的施設が対象になっていたようです。

その公表されている診断結果を、私も個人的に気になったので、東京・埼玉・京都の調査結果に目を通してみました。
リンクを張っておきますので、気になる方はご覧下さい。

↓東京都
http://www.taishin.metro.tokyo.jp/tokyo/seismic_index.html

↓埼玉県
https://www.pref.saitama.lg.jp/a1106/shinsai/shindannkekka-kouhyou.html

↓京都府
http://www.pref.kyoto.jp/taishin/youkinkyu.html

これ以外の都道府県のホームページでも、同様の調査結果が閲覧できると思います。

 
調査結果を見ると、著名な商業ビル、ホテル、有名中学高校の校舎でも、震度6〜7で倒壊の危険性があると指摘されているものがちらほらとありますね。
それと、建物の外観の立派さと耐震性は、必ずしも連動しないのだなあと思いました。

先日の大阪の地震では、ブロック塀が倒壊したり、一部の建物に亀裂が入ったりしました。
目に見える形ではっきり症状が現れると、耐震性が不足していることを実感できます。
でも、日常的に利用していて特に目立った問題がない建物は、無意識のうちにも「きっと大丈夫」って思ってしまいますよね。

 
今年4月から、中古住宅の取引でホームインスペクション(家の診断。法律用語では「建物現況調査」)の有無を確認する取り組みも始まっています。
家を買う時に、多くの人は耐震性・耐久性を気にします。
ですが、耐震診断という概念は広まったものの、実施はまだまだ限定的です。

耐震性は外見だけで分かりにくいので、しっかり把握したいと思ったら、多少のコストがかかっても診断を依頼するのが良いでしょう。

今後、耐震診断に関連するFP相談も増えてくると思います。
その時に、相談者の疑問不安を解消できる取り組みにつながるといいですね。
 

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■6/23(土) FP相談:価値観が違う夫婦の不安を解決するライフプランニング編
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2018年06月21日

2日後 6/23(土)の勉強会に参加申し込みされた方に、改めて当日のご案内を送りました

以前からのお知らせの通り、6/23(土)にFPスキル実践活用勉強会にて、
・FP相談やってみよう:価値観が違う夫婦の不安を解決するライフプランニング編
・FPなら知っておくべきお金の新制度&制度改正 勉強会
の2つのテーマで、勉強会を開催します。


1週間前から、参加者に変動がありましたので、この勉強会に参加申し込みをされた方に、改めて当日の案内メールをお送りしました。
申込みされた方は、ご確認をお願いします。
もしメールが届いていない方がいらっしゃいましたら、お手数ですが下記お問い合わせのページより、お知らせ下さい。

【お問い合わせのページ】
https://money-study.net/contact.htm

 
勉強会当日は、集まった皆さんで、楽しく学べる雰囲気で進めていきます。
有意義な勉強会にいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします!

なお、定員までまだ余裕はあります。
参加希望の方は、下記案内をご参照の上、どうぞお申し込み下さい。
 

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