2017年11月30日

収入が増えても、「収入の壁」を超えないよう確定拠出年金を使うというアイデア

人材不足の企業が増えていることから、人材確保の動きを強化するというニュースを見かけるようになりました。
人材不足の対策として、パートの時給を上げていく企業もあるようです。

時給アップは、働く人に収入アップをもたらします。
支出を減らすのに比べ、収入を上げる方法は選択肢が限られるので、なかなか難しいです。
そんな中、収入アップにつながる話題なので、この流れに乗れるなら乗りたいと思う人は、多いのではないでしょうか。

しかし収入アップのいい機会となるはずなのですが、103万円などのいわゆる「収入の壁」を超えないよう、パートの方が働く時間を自ら減らしている実態もあるようです。
このような収入の壁を越えてしまうと、社会保険の加入が必要になったり、税制上・社会保険上の扶養から外れることによるデメリットを受ける場合があるからです。
そのため、パートの方で壁をぎりぎり超えないようにされている方は、時給が上がったら代わりに働く時間を減らす、という行動を取る人もいるようです。

これでは、働く人にとっては生涯収入を増やすことはできないですし、働く時間を減らされたら企業側の人材不足問題も解決できません。

 
以上の内容が、日経新聞で報じられていました。
ただ、この問題を解決する方法も同時に報じられていて、その中に確定給付年金や確定拠出年金を活用するという考え方が紹介されていました。
簡単に説明すると、103万円などの壁を超える部分を、会社が拠出する確定給付年金または確定拠出年金として支給する、という方法です。
具体的な方法はいくつかありますが、例えば時給を上げる代わりに、福利厚生としてこれら企業年金の金額を上積みするという方法があります。

それにより、給与の金額は据え置かれるため、税・社会保険制度上の壁を超えることもなく、生涯で見たときに収入アップになるというわけです。
給与の一部を確定拠出年金に振り替えられる「選択制確定拠出年金」という仕組みもあるので、これを活用することもできますね。

こういう制度の活用方法もあるのだな〜と、記事を読んで感心しました。

 
このように、働く人の収入アップと、「壁」を超えないことを、うまく両立した解決法ではありますが、メリットばかりでもありません。
検討すべき点もあります。

一つは、確定給付年金や確定拠出年金として受け取るお金は、60歳以後というずいぶん先にならないと受け取れません。
すぐに手元のお金を増やせるわけではなく、あくまでも老後資金が上乗せされるにすぎないのです。
したがって、直近で暮らしが楽になるというわけではありません。

もう一つは、この給与の後払いという考え方は、労働基準法に反する考え方でもあるという点です。
労働基準法第24条には「賃金は、通貨によりその全額を支払うこと」という規定があります。
したがって、「給与を老後に後払いする」という発想が前面に出てしまうと、「労働の対価は全額支払われるべき」という法の考え方に反する、という解釈ができなくもないわけです。

 
この点に注意は必要ではあるものの、確定拠出年金などを活用して、
壁を越えずに生涯年収を高める方法がある、ということを本日は
お伝えいたしました。
もちろん、壁を超えて働くことのメリットもあるわけで、それは今回は
お伝えできませんでした。この点も天秤にかけて、最終的なライフ
プランニングの判断を行ってもらえればと思っています。
貴重な収入アップの機会が、多くの方に訪れるといいですね。
 

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posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 08:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 年金・社会保険