2017年05月31日

年金繰下げ受給に関する、ちょっと濃い話 その1

老後、誰しもお世話になる年金制度。
この年金は原則として65歳から受け取れますが、繰上げや繰下げという制度があり、それによってもらえる年金が増えたり減ったりします。

多くのFPは、年金を繰り下げて受け取ったほうが得だと思っています。
なぜなら、1か月繰り下げるごとに0.7%ずつ増額され、おおよそ83歳より長生きするのであれば、70歳からの繰下げ受給を選択することで、最も多くの老後年金を確保することができるからです。

もちろん、70歳まで年金なしで暮らせれば、の前提は必要ですけれども。

 
さて、今回から数回に分けて、老齢年金の繰下げ受給に関するちょっと濃い話をしていきます。
どれくらい濃いかといわれる、FP2級では出題されないけれど、FP1級やCFPであれば出題されるレベルとお考え下さい。

FP1級やCFPをお持ちの方であっても、改めて年金の試験問題を解いて全問正解できる、という人はほとんどいないのではないでしょうか。
これから数回に分けて、頭の体操も兼ねながら、クイズ形式で年金の復習をしていきましょう!

 
さて、年金繰下げの濃い話、第1回目ということで、比較的軽めのクイズからいきますね。
各クイズの答えは、10行後に表示しています。

■第1問
年金の繰下げは、65歳以降に行うことができ、65歳0か月から数えて1か月あたり0.7%ずつ増額される。
○か×か?









正解は×です。
繰下げは「65歳以降」ではなく「66歳以降」に行うことができます。
つまり、65歳11か月までの期間は、繰下げを行うことができないのです。
65歳を過ぎたらその1か月後からでも繰下げできる、と考えている方もいますが、そうではありません。

簡単でしたでしょうか?

では次の問題です。

■第2問
基礎年金と厚生年金の両方を受給できる方の場合、年金の繰下げは、基礎年金と厚生年金の両方を繰下げしなければならない。
(基礎年金だけ繰下げ、厚生年金だけ繰下げ、ということは行えない)
○か×か?









正解は×です。
繰下げを希望する場合、次の3つの中から選べます。
・基礎年金と厚生年金を共に繰下げする
・基礎年金だけを繰下げする
・厚生年金だけを繰下げする

年金を請求する用紙にも、繰下げの仕方を選択する項目がありますよね。
理論だけでなく、実務上の書類を見たことがあるなら、理解も深まります。

では次の問題はどうでしょうか?
ちょっと難しいですよ。

■第3問
繰下げを選択すると、加給年金を受け取れなくなると言われています。
しかしこれは、老齢厚生年金を繰下げした場合のことであり、「老齢基礎年金は繰下げするが、老齢厚生年金は繰下げしない」場合には、加給年金は受取れる。
(加給年金の受給要件は満たしているものとする)
○か×か?









正解は○です。
加給年金は、厚生年金を受給しているときに加算される金額です。
したがって、老齢厚生年金を受給しているならば、加給年金は加算されます。
老齢厚生年金を繰下げしていて受給していないならば、加算はされないのです。
細かいですね。

ちなみに、繰下げ受給しても、加給年金の金額は増額されません。
これはFP2級でも出題される、基礎事項ですよ♪

 
まずは頭の体操として、3問だけチャレンジしていただきました。
今後はもう少し複雑なお話をしていく予定ですが、クイズ形式で楽しく読めるようにしていきます。
ほとんどのFPは知らない(忘れている)ことも、改めて理解していただける機会になればと思っています。

年金繰下げの、ちょっと濃い話。
次回をお楽しみに!
 

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posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 19:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 年金・社会保険