2017年05月07日

お店でもらった500万円相当のポイントには、どのように課税される? その1

今回から3回ほどにわたって、ちょっと高度な税金の話題をお届けします。

 
とある本屋さんで、500万円相当のポイントがもらえるキャンペーンをやっています。
https://honto.jp/cp/hybrid/campaign/dokusho-entry.html

もし万が一当選したら、いったいどのような課税がなされるのでしょうか?
個人的には、法人からの贈与ということで、一時所得になるのだろうなあと思いました。
しかし調べてみると、ポイントに対する課税はけっこう奥の深い話であり、実際に申告をする際には非常に頭の痛い問題を含んでいることが分かりました。

今回から何回かにわたり、このようなポイント制度と税金の関連についてお話をしていきます。
若干、頭の体操のような内容になりますが、実務上の高度な税金感覚を養うには適した教材になりますので、お付き合いくださいね。

 
まず、家電量販店で付与されるポイントを事例にします。
皆さんにとって、かなりなじみのあるものですよね。

このポイントは、ある買い物に対して付与されます。しかしその買い物時点では使えず、次回その店での買い物に対して使えるという性質であります。
このことから、ポイントは「値引き」とはみなされないというのが税務上の見解です。
値引きではないので、「経済的利益の提供」に該当します。したがってポイントは、税務上、法人からの贈与とみなすこととなります。

しかしここで一つ問題が出ます。
そのポイントの価値は、日本貨幣に換算して、何円相当なのでしょうか?

ポイントによる経済的利益を受けられるのは、ポイントをもらった時ではなく、使ったときです。
なぜなら、1ポイント何円相当になるのかは、使ったときに初めて確定されるわけです。
例えば過去には、1ポイント1円としていたものを、ある時から制度改定により、1ポイント0.5円相当になったこともありました。
また、ポイントを使う前にその企業が倒産すれば、ポイントは無価値になります。

こういった事情があるため、贈与の効力が生じるのは、ポイントを受け取った時ではなく、ポイントを使ったとき、と税務上は考えることになります。
この観点からいうと、ポイント付与は「停止条件付き贈与契約」に該当するということになります。

難しい贈与契約の言葉ですが、「ポイントを使います!」と顧客側が意思表示をするまで、贈与(経済価値の獲得)の効果は停止されている、という解釈で、「停止条件付き贈与契約」ととらえればわかりやすいでしょうか。

 
いきなり小難しい考え方がたくさん出てしまいましたが、ここで一つの結論に入りましょう。
付与されたポイントは、企業から受けた贈与とみなされます。
しかし課税がなされるのは、ポイント付与時ではなくポイント利用時です。
法人からの贈与なので一時所得の対象となりますが、所得の額は、ポイントを現金換算した金額となります。

 
ということは、冒頭に書いた「本屋さんでもらった500万円相当のポイント」は、もらった時ではなく使ったときに一時所得になる、ような気がしますよね。
ところが実は、そう簡単に結論付けられない点もあるのです。
最終的な結論に至るまでには、もう少し考えなければならないことがあります。
ここからが奥が深く、頭の痛い話につながるのですが、話が長くなりますので、それは次回にお話を続けていきます。お楽しみに。

 

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posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 08:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 税金