2017年04月12日

金融のリスクって何?顧客のリスク許容度をどう測る?について一歩深い学びが得られる良記事

今日のお話は、下記のFP向け雑誌から。

KINZAIファイナンシャルプラン 2017年3月号
「顧客の金融リテラシーを踏まえたリスクとの向き合い方」

 
顧客の金融リテラシーやリスク許容度をどう測るか、どのように向き合うか、という観点で書かれた記事です。その中で、次のような一文がありました。

=================
投資の知識や経験が少ない人にとって想定外のことが起こることまでを考慮してリスクに備える役割がプロには求められます。私は、このことを「想定外(のリスク)を想定内(のリスク)にする」行為と呼んでいます。

<中略>

そうすれば、投資において避けることのできない不確実なリスクであっても、未然に許容リスクの範囲内に抑えることができます。これが「想定外を想定内にする」アプローチであり、長い目で見て顧客に信頼される礎となるはずです。
=================

 
これは、顧客に対する投資相談業務において、とても大切な考え方です。

 
リスクとは、根本的には「不確実性」を表しています。

分散投資やポートフォリオ理論に思い入れがあるFPは、債券はリスク10%、株式はリスク20%、というように数値化されたリスクを参考にして、投資判断しています。
金融商品のリスクの数値の大小だけで、ハイリスク、ローリスクを判断する手法です。

この数値は、統計学の考え方を取り入れて、数学的に計算したものです。
この数字が高いほど、ハイリスク(想定されたリターンからずれる範囲が広くなりがち)であることを表しています。

しかしこの理論は、そもそも次の前提が置かれたものとなっています。
・その金融商品のリターンは、想定しているリターンよりも高い結果となる確率は2分の1である。
・同様に、想定リターンより低い結果となる確率は2分の1である。
・想定リターンより高くなるか低くなるかは、全く読めず想定できない

つまり、リターンがどういう結果になるか、言い換えればこれからの資産価値がどうなっていくかは、常に想定外であるという考え方に基づいているのです。

 
一方で、世界経済に強い人は、日経平均やダウ平均などの数値がこれから先どのように上昇するか、どのように下落するかをおおよそ想定できる人もいます。
また、頭の中に複数の経済状況が想定されていて、こうなったら指数は少し上昇、逆にこうなった場合は大きく下落、という考えを持っている人もいます。

このような考えが及ぶ人にとっては、さまざまな経済変化、指数の変化も「想定内」になります。事前に考えていたのですから、「全く読めず想定外」ということになりにくくなります。
結果として、世間ではハイリスクと言われている金融商品であっても、その人にとってはローリスクな金融商品に見えるのです。

 
リスク許容度の判定においては、ポートフォリオ理論を暗に採用し、資産価格の下落にどれくらい耐えられるかで語られることが多いです。
しかし顧客の真のリスク許容度を測るには、顧客の経済感覚、具体的な銘柄の価値変化なども把握したうえで、どの程度まで想定を置いているかも把握したうえで、判断することが重要です。

リスクは根本的に「不確実性」です。
不確実を除外できるセンスがある人ほど、リスク許容度は低いと判断できるのです。

これは、顧客と対面して話ができるFPには実践できますが、執筆・講演で不特定多数に話をするFPには実践ができません。
現状、このレベルで投資相談ができるFPは、ほとんどいないでしょう。
でもこれができれば、ロボアドバイザーと明らかな差別化が可能です。

しかし、ここまで踏み込んでリスク許容度を測ろうとすると、どうしても個別銘柄についてどう思うか、を顧客から聞き出す必要もでますので、投資助言業の登録は必須となるでしょう。
この点はご注意いただきたいと思います。

 
投資に不安を感じる人は、「わからない」から不安に感じているものです。
その「わからない」をなくし、いろいろなケースが想定できるようになれば、リスク許容度を自ら下げることができ、資産運用に踏み出せる素養が身についた、とも言えるのではないでしょうか。

 
どんどんリスクをとって投資しよう!と投資をあおる人ばかりではなく、このような丁寧なアプローチで顧客を投資教育できる人が増えてほしいと思います。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 今後の勉強会の開催予定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●4/22(土) 相続相談事例から学ぶ、計画的な相続対策
2つの相続相談事例を取り上げ、相続に関する問題をどのように解決すれば
よいかを考えていきます。相続における実践力が身につく内容です。

●4/22(土) 資産運用・不動産活用・相続分野でFP業務に役立つIT活用勉強会
ライフプランニング以外で、これら3つの分野でFPの皆様に役立つソフトに
関する情報提供・意見交換を行う内容です。

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
http://money-study.net/schedule.htm
※パソコン・スマートフォン両対応のサイトです。

posted by FPスキル実践活用勉強会スタッフ at 05:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融資産運用・経済